ザイリンクス
ザイリンクス(XLNX)は半導体の会社です。同社はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ)と呼ばれる半導体をデザインしています。FPGAはテクノロジー企業が最新鋭の製品をいち早く発表する際、半導体回路をいちいち設計していては時間がかかるため、ソフトウエアで回路の機能を規定するための製品を生産しています。
このため、いまだ意匠が完全に決まっていない試作品や第1世代の製品などでFPGAは活躍します。
4月26日に発表された同社の第4四半期(3月期)決算はEPSが予想96セントに対し94セント、売上高が予想8.26億ドルに対し8.28億ドルでした。
地域別売上高は北米が+13%、アジア太平洋が+56%、欧州が+12%、日本が+20%でした。
エンドマーケット別売上高はコミュニケーションが+74%、データセンターが▲7%、自動車・消費者+20%、工業・防衛が+1%でした。
コミュニケーション向けの売上高が急成長した背景は、5G向けの出荷が好調だったことによります。韓国、中国での5Gインフラ建設が需要をけん引しました。
在庫は112日でした。ちなみに前年同期は117日でした。
第1四半期売上高は予想8.35億ドルに対し新ガイダンス8.35億~8.65億ドルが提示されました。
この決算の後でファーウェイへの規制が発表されました。同社の場合、ファーウェイ側が今回の輸出規制を見越し、あらかじめザイリンクスのFPGAを大量に仕込み、在庫を積み上げていた形跡があります。
したがって同社は今後あまり売り上げ増を期待できません。
同社は5月15日にアナリストデーを開催し、その際、2020年度の売上高ガイダンスとして34.5億~36億ドルという数字を提示しました。しかしその数日後にファーウェイに対する規制が発表されています。したがってこのガイダンスはもう信頼できないと思います。
いずれにせよ、ザイリンクスの周辺は逆風の材料ばかりなので、投資は見合わせた方が良いと思います。