値上がり率ランキング(5銘柄)
1 グッドスピード(7676・東証マザーズ)
4月25日上場の、5月時点では一番新しい「直近IPO株」(平成最後のIPO)。東海地方で中古車販売店を展開しており、特徴といえばSUVに特化している点。とはいえ、成熟産業で、類似会社も多い目新しさは無いビジネスモデルです。公開価格1,400円に対し、初値は1,750円と派手なスタートではありませんでした。
ただ、5月のリスクオフ地合いによる物色難とIPO空白期間入りが、逆に追い風に。
28日高値4,320円まで、まさに爆騰! 上場する類似会社では、SUV専門業態を持つネクステージが妥当で予想PER(株価収益率)は23倍程度です。ただ、一度勢いが付いた株価モメンタムの前に、同業他社との比較など不要?…グッドスピードは一時、予想PER50倍台とダブルスコアまで買われました。
2 シンクレイヤ(1724・ジャスダック)
第1四半期決算の発表をきっかけに、4日連続ストップ高。このストップ高4連発だけで、株価は約2倍に変貌…低流動性、低知名度の超小型株の醍醐味が発揮されましたね。
同社が14日発表した第1四半期決算で、営業利益が前年同期比2.2倍の4.6億円に。昨年12月に「新4K8K衛星放送」が開始、チャンネル数の増加などに対応したケーブルテレビ事業者の設備増強ニーズが高かったそうです。好決算で株価急上昇でも、予想PERでは10倍程度。つまりは、好決算で注目される前の予想PERは5倍台だったということで、割安放置のバリュー株がジャスダックには多いと改めて感じます。
3 ホープ(6195・東証マザーズ)
値上がり率2位のシンクレイヤをさらに小ぶりにした、超小型株。前月比で株価はほぼ倍増しながら、まだ時価総額は27億円です。
同社は、地方自治体の財源確保支援を主力事業としています。こちらも買い殺到のきっかけは、決算材料。27日に2019年6月期の業績予想の上方修正を発表し、翌日から3日連続でストップ高買い気配となりました。営業損益を0.3億円の赤字と見ていたところを、0.5~0.7億円の黒字予想に上方修正。「黒転は買い」というやつでしょうか。
4 イーソル(4420・東証マザーズ)
上値追いに火が付いたのが、22日の同社のリリースでした。自動運転技術の業界標準を目指す国際業界団体「AWF(オートウェア ファウンデーション)のプレミアムメンバーに昇格したと発表。プレミアムメンバーは最も主要なメンバーとして、自動運転システムのプロジェクト推進に貢献すると。5月はほぼ一本調子で上昇。全上場銘柄見回してもレアな上場来高値銘柄として、トレンドフォローの短期勢も参戦か。
5 アサカ理研(5724・ジャスダック)
5月相場を覆っていた「米中摩擦」、これを逆手にとった形でテーマ株に急浮上したのが同社でした。米国のファーウェイ禁輸規制に対抗し、中国側がレアアース(希土類)の対米輸出制限を示唆。中国が禁輸規制に踏み切ると、チタンに代替需要が発生するとの思惑で大阪チタニウムや東邦チタニウムなどが物色対象に。この連想で小型株を探すと行き着くのがアサカ理研。電子部品などから独自技術で貴金属を分離・回収する事業を手掛けています。