売買代金ランキング(5銘柄)

1 サンバイオ(4592・東証マザーズ)

 4月に月間騰落率+57%と再フィーバーしたサンバイオですが、5月は大幅反落。リスクオフ地合いに飲まれたうえ、14日に発表した増資が嫌われました。

 今期の研究開発費は50億円強に膨らむため、ファイナンスリスクは強かった銘柄。同社の純資産は、19年1月期末で89億円です。ただ、18年1月期末に比べて80億円増加しており、決算説明会資料でも「財務基盤は安定」と強調。その経緯もあって、増資はしばらく先と楽観視されていたのかもしれません。14日の発表では、海外募集の新株発行で手取り概算73億円を調達すると。新株200万株は、発行済み株数の4%弱。

2 そーせいグループ(4565・東証マザーズ)

 鬼門の決算発表は、いったん利益確定売りの材料に。14日に発表した第1四半期(1-3月期)業績は、最終損益が10.18億円の黒字に転換(前年同期は15.68億円の赤字)。英アストラゼネカからの大型マイルストン(約16億円)の貢献が大きく、これ自体はすでに事前発表があったため想定内です。

 見る目が変わるきっかけになったのは、海外機関投資家による買い増し判明でした。21日に、米運用会社のタイヨウ・ファンド・マネッジメントが保有比率を8.23%→9.11%へ引き上げたと5%ルールで報告。これを受けた同日午後から提灯買いが集まり、年初来高値を更新します。このタイミングで市場全体が物色難だったこともあり、そーせいへ全員集合ムードへ。

 タイヨウのさらなる買い増し期待などが背景にあると思われますが…そのタイヨウは31日、保有比率を9.11%→7.90%へ引き下げたと報告しています。これぞ、“利食い千人力”?

3 オンコリスバイオファーマ(4588・東証マザーズ)

 4月に比べると売買代金が急減。上場来で最大の出来高を記録したのが4月11日(この日の安値は3,235円、高値は3,765円)、ここで買った投資家の損切りに押された1カ月でした。

 気になるのは、5月の下落局面でも信用買い残自体はほとんど減っていない点。前述の4月第2週に信用買い残も急増し、過去最大の345.9万株まで膨張。これが、開示されている5月24日時点分でも325.9万株あります。下落局面に逆張り買いで向かった投資家が多かったと見られますが、信用買い残が発行済み株数の23%もある点は尾を引くかもしれません。

4 メルカリ(4385・東証マザーズ)

 決算で売られ、需給材料で戻すも、結果的には月間マイナス…そんな1カ月。9日に発表した今第3四半期決算は、売上高は43%増の373.78億円、営業損益は59.81億円の赤字。ここまで通期の業績予想を開示していないメルカリですが、第3四半期のタイミングで売上高だけレンジを開示。19年6月期の売上高予想を「500~520億円」としています。

 決算発表翌日10日に5.8%安、翌13日も6.7%安、14日もトドメの5.0%安…この時点で投資家が業績を失望したことは明らかでしょう。アナリストの投資判断引き下げ、目標株価大幅引き下げも見られました。ただ、そこから月末にかけ反転上昇!
その理由は、MSCIの日本スタンダード標準指数に新規採用されたから。リバランスは28日大引けで、400万株強の買い需要が発生することを見越したイベントドリブンが活発化。リバランスの買いが入った5月最終週の週間上昇率は+15.1%で、週間上昇率としては上場来2番目の大きさになりました。

 リバランスの買いというのは、簡単にいうと「業績や今の株価的に買いたいかどうかは抜きにして、指数に採用されたから買わないといけない人による買い」です。

5 カオナビ(4435・東証マザーズ)

 4月に続き、5月も人材関連株の新顔としての人気が継続。直近IPOのテーマ株として買われていた雰囲気でしたが、一段高の火を灯したのが14日に発表した上場後初となる決算でした。今20年3月期の期初計画で、売上高を前期比50%増の25.4億円と発表(利益項目は非開示)。独自の人材管理クラウドサービス「カオナビ」に対する需要が強く、そもそも赤字上場銘柄だけに、市場の関心事はトップラインの伸び率だけ。その点では、投資家の期待に応えたと見なされた様子で……。