前日(8月30日)の市況

ドル/円:米国GDPは3%拡大し、ドル買いが加速

 北ミサイル発射で年初来安値に接近する108.26円台まで急落したドル/円でしたが、一昨日のマーケットでは109円台後半まで大幅反発。この日のドル/円はさらに上を目指し、2週間ぶりとなる110円に乗せました。安値となった109.53円近辺では乗り遅れた買いが待ち、すでに底固い状況。

 ドル買いを加速させたのは、NY時間に発表された8月のADP(米国の大手給与計算アウトソーシング会社)雇用データと米国の4-6月期のGDP(国内総生産)で、いずれも予想を上回る強い結果。ADP雇用データは、明日4日の米雇用統計の先行指標として注目されていました。米国GDPは3%に拡大。ドル/円は110.43円まで上値を伸ばし、その後も勢力を保ったまま、終値は110.265円(前日比+0.609円)でした。(チャート1)

 

ユーロ:1.1879ドルまで下値を拡大

 ユーロ/ドルは失速。一昨日に2015年1月以来となる1.2069ドルをつけたユーロ/ドルでしたが、そこがピークでとなって下落に転じました。この日は1.1879ドルまで下値を拡大。(チャート2)

 

豪ドル:0.7889ドルまで安値をマーク

 豪ドル/ドルは、1日につけた今月のこれまでの高値である0.8000ドルを目前にして下落。安値は0.7889ドルまで。(チャート3)

 NZドル/ドルも上値の重い動き。ウィーラー・RBNZ(NZ準備銀行)総裁が「バランスの取れた成長にはNZドル安が必要」との発言がじわじわと圧迫しました。

 

本日発表される注目指標

 

 

 本日は月末ということで、多くの経済指標が発表されます。

 中国の製造業PMI(購買担当者指数)は、今年になって51.5を中心に安定。この傾向はしばらく続きそうです。ユーロ圏では、8月の消費者物価指数と失業率が発表されます。ドイツでは失業率が過去最低水準まで低下するなか、労働賃金が上昇。個人消費の拡大が物価上昇を支えています。そして米国では、CPI(消費者物価指数)と並ぶ重要インフレ指標の個人消費支出(PCEコア・デフレーター)の発表があります。

 予想は前月比0.1%で前回と変わらず。米国のインフレ率は、ピークを越えたとはいわないまでも、頭打ちの兆候が出ているようです。今年後半のFRBの金融政策にも影響を与えることになるでしょう。また、カナダの6月GDPは、前月比0.1%に縮小(前回0.6%)の予想。BOC(カナダ中央銀行)は、7月に政策金利を0.5%から0.75%に利上げしました。今後も利上げが続くとの予想ですが、カナダの成長率が伸び悩んでいるのをみると、マーケットの考えはやや強気すぎるかもしれません。

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