日足チャートには意外な反発の兆しも?

 日米ともに日足チャートの形が悪くなっていますが、では、このまま日経平均が2万円を割り込むような下落を見せるのかというと、確かに相場のムード的には可能性は高そうです。ただし、実は意外な反発を見せる兆しも残っています。株価のトレンド形成にはその勢いの強さがポイントになるわけですが、こうした買いや売りの勢いを見るテクニカル指標として「RSI(相対力指数)」というのがあります。下の図3は日経平均の日足チャートとRSIです。

■(図3)日経平均(日足)とRSIの動き(2019年5月31日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日足では、日経平均の下値が更新しているのに対して、RSIの下値は切り上がっているという反対の動きを示しており、いわゆる「逆行現象」になっています。株価が下落する一方で、RSIの下値上昇は売りが弱まってきているのではという解釈ができますし、直近のRSIは売られ過ぎとされている20%あたりが底になっていますので、株価が反発してもおかしくはなさそうです。

 これまでのレポートで、「様子を見ながら株価は下落している」と指摘してきましたが、こうした値動きが功を奏した格好です。そのため、今週の前半に見せそうな下落局面で売りが殺到する展開にならず、これまでと同様に様子を探りながら下落していくのであれば、株価が反発していくシナリオも想定しておく必要があるのかもしれません。