PKSHA Technology

1.2019年9月期2Qは55%増収、16%営業増益

 PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)の2019年9月期2Q(2019年1-3月期)は、売上高6億400万円(前年比54.9%増)、営業利益2億2,900万円(同16.2%増)となりました。

 売上高は、売上構成比で10%強を占めるNTTドコモ向け(2018年9月期売上高2億500万円、前年比13.3%増)のほか、トヨタ自動車、デンソーなどの自動車向けや様々な業種の企業向けが増えました。会社側は、現在のところは、特定の業種に限らず幅広い企業向けにAIアルゴリズム開発の実例を増やすことを志向しています。

 特定企業向けのアルゴリズム開発である「アルゴリズムモジュール」は、前上期3億6,900万円から今上期5億1,600万円へ39.8%増となりました。また、会社側が注力している汎用アルゴリズムである「アルゴリズムソフトウェア」は、同じく3億5,000万円から5億9,400万円へ69.7%増となりました。アルゴリズムソフトウェアの内訳は、「BEDORE(べドア)」(チャット自動応答システム)が約60%、「HRUS(ホルス)」(物体検知、物体認識のAIで様々なイメージング機器と連動する)が約30%、「CELLOR(セラー)」(顧客情報等のデータ分析を自動化、半自動化する)が約10%となっており、特にBEDOREが性能の良さから顧客が増えています。

 現在は、アルゴリズムモジュール、アルゴリズムソフトウェアともに投資を進めているため、いずれも採算はほぼ同じ程度ですが、将来は汎用性があるアルゴリズムソフトウェアの売上高がより増加することで採算が向上し、全社業績にプラス効果を与えることが予想されます。

 一方で、今2Qの営業増益率は前年比16.2%増と増収率に比べ低い伸びとなりました。採用増加(エンジニア数は、2017年9月末28名、2018年9月末66名、2019年3月末79名)、オフィス拡張、GPU(グラフィックプロセッサー)サーバーとソフトウェアへの投資が増えたため、売上総利益率がやや悪化し販管費が増加したことが響きました。

表3 PKSHA Technologyの業績

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株価 6,210円(2019/5/30)
発行済み株数 26,794千株
時価総額 166,391百万円(2019/5/30)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:発行済み株数は自己株式を除いたもの
注2:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益

グラフ1 PKSHA Technologyの分野別売上高

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単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成

 

2.今下期は増益率が回復する見通し。高成長持続へ

 今下期以降も売上高は高い伸びが続くと思われます。引き続き様々な企業からアルゴリズムモジュール、アルゴリズムソフトウェアへの引き合い、受注があるもようです。また、今上期でインフラ投資が一服したため、今下期は販管費の伸びが低下し、営業増益率が回復する見通しです。

 このため、今期会社予想の売上高25億円(前年比66.3%増)、営業利益9億円(同51.0%増)は達成可能と思われます。また来期2020年9月期も高率の業績成長が予想されます。

 今後6~12カ月間の目標株価は前回の7,800円を維持します。引き続き投資妙味を感じます。

本レポートに掲載した銘柄:ALBERT(3906)PKSHA Technology(3993)