本日の注目通貨

ドル/円:トランプ大統領、支持率を気にする?

 トランプ大統領は、中国への攻撃を強める一方で、日欧に対しては自動車の追加関税を半年延期すると発表。カナダとメキシコに対しては鉄鋼とアルミニウムの追加関税を撤廃することで合意しました。

 中国側に(今のところ)譲歩する様子はなく、米中貿易協議が長期戦になりそうで(中国は米国との交渉中止を示唆)、トランプ政権としては、これ以上「敵」を増やすのは得策ではないと、トランプ政権は同盟国に対して柔軟な政策を提示しているようです。

 米中貿易摩擦の再燃を米産業界は批判。株価も下落してトランプ大統領の支持率は下降しています。実は、トランプ大統領の政策と支持率は相関関係があるようで、支持率が高いときには強硬姿勢ですが支持率が下がりはじめると、とたんに軟化するといわれています。トランプ大統領が何をしたいかといえば、貿易戦争ではなくて、2020年の大統領選で勝つことです。

出所:楽天証券作成

ポンド/円:メイ首相はもって今月いっぱい?

 22日(水曜日)の海外市場で、メイ首相当日辞任の噂が流れてポンド/円は一時139.31円まで下落。メイ首相の次の党首はガチガチのハードブレグジット派であるボリス・ジョンソン氏が有力であること、総選挙の実施ということになれば、政治的混乱はさらに長引きそう。これまで続いてきたブレグジット交渉をゼロから始めることを考えるとポンド売りに傾くのはしかたありません。交渉をすぐに終わらせる選択肢もありますが、それは「ノーディール・ブレグジット(合意なき離脱)」ということになります。

 そこでメイ首相は、2回目の国民投票実施を英議会に提案しました(21日)。ところが内容を見ると「EU離脱協定案を採択する」ことが条件となっています。EU(欧州連合)残留派を味方につけると同時に、合意なき離脱も回避するというメイ首相の苦肉の策。当然のことながら、各派ともすぐに賛成というわけにいかず、ポンドの上昇も一瞬でした。

出所:楽天証券作成
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