日経平均・NYダウ共に、75日移動平均線とその先の節目乗せが焦点に

 こうした株価下落の落ち着き感は週足のチャートでも見てとれます(下の図2)。

■(図2)日経平均(週足)の動き(2019年5月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 週足チャートで見た、日経平均のローソク足は下ヒゲの長いものとなっており、株価の下げ幅を縮小させていたことが分かります。しかも、ローソク足の実体は陽線で、かつ26週移動平均のところで踏みとどまっており、「相場を支えている感」があります。

 もっとも、話を再び図1に戻すと、週末17日(金)の取引では、上値が75日移動平均線のところで抑えられて上げ幅が縮小し、上ヒゲが長くて実体が短い「十字線」の形になっています。

 十字線は迷いを示す線と言われていますので、下値を拾うことはできても、さらなる株価上昇にはまだ迷いがあり、次の下落への警戒が続いていることを反映しているように見えます。言い換えれば、チャートの形からは明確な売買サインをつかみにくいことも意味しています。

 そのため、今週の日経平均は、外部環境の材料に振り回されやすい環境の中、75日移動平均線を上抜け、2万1,500円や2万2,000円といった節目を試すことができる展開になるかが注目されそうです。実は、米国のNYダウに目を向けても、日経平均と同様に、75日移動平均線の上抜けとその先にある節目(2万6,000ドル台)乗せが焦点になっています(下の図3)。

■(図3)NYダウ(日足)の動き(2019年5月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成