GW直前に「信用取引」をして、直前のうちに決済すると?

 さて、ここで気を付けておく必要があるのが、ゴールデンウィークなど長期の連休がある場合です。もし、連休前の4月26日に信用買いや空売りをして、連休明けの5月7日に返済したとしたら、金利や貸株料は4月26日~5月7日の12日分かかると勘違いしている方も少なくないのではないでしょうか。

 あくまでも金利や貸株料の計算は、受渡日ベースで行います。4月26日に信用取引をして、5月7日に買い戻した場合、受渡日ベースでは保有期間は5月9日から5月10日の2日間だけです。勘のよい方はお気付きになったのではないでしょうか。実は10連休をまたぎ多額のコストが発生するのは、ゴールデンウィーク前に決済を終わらせたものであることを。

 もし、4月22日に新規で信用取引を行い、翌23日に返済したならば、受渡日ベースでは4月25日~26日の2日間ですから、2日分の金利や貸株料がかかります。

 でも、1日ずれて、4月23日に新規に信用取引を行い、翌24日に返済した場合は受渡日ベースで4月26日~5月7日の12日間となり、12日分の金利・貸株料がかかってしまうのです。

最も気を付けなければならないのは「逆日歩」

 とはいえ、金利や貸株料はそれほど高い料率ではないので、12日分のコストといってもそれほど大騒ぎするものではありません。0.1%もかかりません。

 一方で「逆日歩」は、その時々の状況により金額が大きく異なってくるので、大いに注意が必要となります。

 もし、4月22日に新規で空売りを行い、翌23日に返済したならば、受渡日ベースでは4月25日の1日分の逆日歩が発生します。しかし、4月23日に新規に空売りを行い、翌24日に返済した場合は、受渡日ベースで4月26日~5月6日まで11日分の逆日歩がかかってしまうのです。

 通常は逆日歩がつかない銘柄の方が多く、ついたとしても1日当たり5銭程度です。でも、空売りの残高が多く株不足に陥っているような銘柄の場合、逆日歩の額が1日当たり2円や3円と高額になることもあります。

 もし、300円の銘柄を4月23日に空売りし、24日に決済した場合をみてみましょう。23日の逆日歩が1株当たり2円だとすれば、1株当たり2円×11日=22円の逆日歩を支払わなければいけません。株価に対して実に7%もの金額です。1日で決済するから逆日歩もそれほど心配ないだろうと考えていたら、とんでもないことになります。

 銘柄ごとの逆日歩の状況に関しては、例えば、日本取引所グループ「信用取引残高など」-「品貸料」に記載されています。

 直近に大きな逆日歩の額がついている銘柄や、空売りの残高が信用買いの残高より大きいような銘柄は、特に注意すべきです。

 信用取引には、かなり細かいルールが数多くあります。「知らなかった」では済まされませんので、証券会社のホームページなど信用取引についての記載をしっかり読んでおき、ゴールデンウィークの10連休を無事に乗り切りましょう。

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