アップルと和解したクアルコムは、20%を超える急騰!

クアルコム(QCOM)

出所:トムソン・ロイター(現地4月16日まで過去3カ月間)

 アップルは半導体大手のクアルコムに対し、特許使用料が「非常に高額」で違法だと主張する一方で、クアルコムはアップルが特許を侵害していると訴え、両社はこれまで2年以上にわたり、法廷闘争を繰り広げてきました。

 訴訟が続く中、アップルはiPhoneに搭載する「モデムチップ」をインテルから調達する動きを見せ、そうした動きはこれまでクアルコムの株価の重しとなっていました。しかし現地時間16日、両者が係争中のすべての訴訟を取り下げることを決定すると、クアルコムの株価は20%を超える急上昇となりました。

 確かにこの決定はクアルコムにとって大きな勝利であると言え、今後iPhone向けに「5G」関連の半導体を含め、大きな販路を確保できたと言えるかもしれません。実際クアルコムは今回の合意を受け、EPS(1株当たり利益)が2ドル押し上げられる見込みであるとコメントしています。

 

インテルは5G半導体から撤退 

 CPU市場で圧倒的なシェアを誇る、世界最大級の半導体メーカーのインテルは、アップルとクアルコムの電撃的な和解の後、これまで多額の投資を行い取り組んできた「5G」のモデム事業から撤退すると発表しました。

 同社のモデム半導体事業の顧客はアップルのみであり、そのアップルがクアルコムと和解したことで、半導体モデム事業で市場シェアを獲得していくことが難しくなったと考えたようです。正直この動きは完全に予想外で、今後業界の勢力図が大きく変わっていくのではないかと感じました。