米国の原油需給も弱い。ガソリン在庫が予想以上の減少となる反面、原油在庫は予想以上の大幅増となった。輸出量が減少したことが在庫増の背景にあるが、輸入量が低位で推移するなか、リファイナリーの稼働は上がっており、この状況で在庫が増えるということは単純に生産水準が高いということになるだろう。季節的にも今後稼働は上がっていく傾向にあるが、高い生産水準が続く限り、在庫の潤沢感は解消されにくい。

 心理的な節目である65ドル近くまで上昇した後に値を下げており、直近の上昇により高値達成感が出ている印象を受ける。高値への警戒が強まると、弱気な見方がクローズアップされ、利食い売りが促されやすくなる。市場のムードがどちらに傾いているのか、注視する必要がある。ただし、調整の範囲内の押しにとどまるようだと、再び騰勢を強め、65ドルを上抜いてくると、一気に買いに弾みが付きやすい点は念頭に入れておくべきだろう。

今週の予想

  • WTI    中立 61.00-66.00ドル
  • BRENT    中立 69.00-74.00ドル