令和はどうなる?祝賀モードのプラス効果を期待

 既にテレビ等でも報じられていますが、令和にちなんだ商品に動きが見られるようです。

 令和の出典は万葉集の「初春の令月、気淑しく風和らぐ」とのことで、令月は梅の季節です。そこから、梅酒などの梅を使った飲食品に注目したり、万葉集が売れるのでは?という向きもあります。漢籍ではなく国書であっても古典を読むのは難しいので、個人的には、「よくわかる万葉集」のような解説本の方が流行りそうな気がします。

 印刷業界には帳票を差し替えるための需要がありますし、限定的な動きとしては、シールやハンコも需要がありそうです。既に進行中の案件では、新元号が発表されたことで、システム対応に欠かせないピースが埋まりました。

 こうした経済効果の測定は難しく、他に仕事があるときに改元需要にリソースを振り向けたら、供給側の制約で全ての需要には応えられなくなります。特需の経済効果よりも、むしろ、生前退位のため、改元を祝賀モードで迎えることができるという消費者マインドへの好影響に期待したいところです。

 歴史を振り返ると、改元には政治的ジンクスがあります。改元時の内閣は半年以内に退陣する、というものです。平成ではリクルート事件、昭和では金融恐慌、大正では軍部との対立で首相が交代しています。

 今年は4月に地方選、7月に参院選があります。今の政権支持率であれば、選挙を乗り切り、ジンクスを跳ね返せそうですが、4月1日に公表された日銀短観では大企業製造業の業況判断D.I.が7ポイント悪化するなど、景気を不安視させる指標が増えてきました。

 そして、10月には、消費税率引き上げが予定されています。平成元年に導入された消費税で竹下内閣の支持率は急落、リクルート事件がトドメをさしました。令和元年に予定されている10%への消費税引き上げも支持率には悪影響なので、思わぬ政治スキャンダルが発覚すると足許をすくわれることになるかもしれません。

 今年はイベントが盛り沢山です。上記以外にも、働き方改革関連法や外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が4月に施行され、史上初の10連休、将来の公的年金の財政見通し(財政検証)の公表(前回を踏襲すれば6月公表)のほか、重要な外交案件が予定されています。米中貿易摩擦の緩和期待が高まる一方、5月26日に予定されているトランプ大統領の来日を前に、日米通商協議で何らかの方向性が見えて来ると思われますので、「為替」や「自動車」への注目が高まりそうです。

 5月1日からは令和が始まります。重要なイベントをしっかりと押さえて、令和を「零和」、つまりゼロサムではなく、明るくプラスで乗り切りたいものです。