入社したら運用のことより仕事のことに集中でいい

 最後にひとつ、確定拠出年金「以外」のアドバイスをします。確定拠出年金が自己責任とはいえ、実は新入社員は毎日運用に明け暮れる必要はありません。最初の資産配分で投資信託を組み入れたなら、そのまま一年くらい放置してもいいでしょう。

 新卒社会人の掛金はだいたい月数千円が多いです。極端な話、2,000円の運用で必死になり何度も売買しても、たいした運用益を手にするわけではありません。投資信託の売買で月に何度もトレードしても、1日の基準価額は変わりませんので、あまりうまくいかない可能性があります。

 むしろあなたが優先するべきは、あなたの本業となる仕事でビジネススキルを磨くことです。仕事に直結する専門知識が最も必要であり、それを貪欲に吸収するべきです。また、最速でチェックしたいのは資格給の有無です。国家資格などが業務に直結する仕事の場合、その資格取得が給与アップや昇格につながることがあります。

 資格取得について補助金などがあり、テキスト代や受験費用がもらえるなら大チャンスですし、合格するとお祝い金がもらえる場合もあり、将来の昇格にも役立つことでしょう。

 確定拠出年金の運用がどんなに上手くいったところで、あなたの生涯賃金以上を稼ぎ出すことはありません。一番の優先順位は「仕事」であることは忘れないようにしてください。そのうえで、定期的に年に一度くらいは運用状況をチェックしてみてください。