運用でお金をどれだけ増やすことができるか?

 1年間でいくらお金を増やすことができるでしょう?資産形成の基本原理はきわめてシンプルです。

【今後1年間の資産の増減】

=【年間の収入―支出】+【運用の期待リターン―運用コスト】

 これから資産形成を始めようとするならば、まず年間の収支をプラスにする必要があります。そうしないと投資の原資が得られません。

 次に、どのような運用を選ぶべきか考えます。「期待リターン」と聞くと、当然プラスと考えるかもしれませんが、1年など短い期間では、マイナスになることもあります。高リスク・低リスク商品をうまく組み合わせて、自分にとって相応しいポートフォリオを作り、中長期で運用することが大切です。

 家計の年間収支が赤字の方で、「なんとか運用でお金を増やして、収支を黒字にしたい」と考える方もいますが、そんな考えで運用をやると、短期的な相場の波乱に惑わされて、失敗する可能性が高くなります。

 まず家計のバランスシートを作り、年間の収支管理を徹底し、マネーのライフプランを作り、万全の体制で、運用に臨んでください。

簡単に儲かるうまい話はない

 一攫千金をねらって、過度なリスクを取る甘い投資話に乗ることのないよう、気をつけましょう。世の中には、「楽して大もうけしている人がいる」という話がたくさんあります。「あなたも、楽して儲けたいならば、こうすれば簡単に……」と、勧誘する広告もよく見かけます。ほとんどすべて、落とし穴と考えて間違いありません。高い手数料をとられ、大きなリスクを負って、損をする結末になることが多いと言えます。

 確かに、世の中には運よく大もうけする人はいます。仮想通貨で大もうけした話は、よく聞きます。それで会社をやめて、ベンツを買ったと……。その話を聞いてから、あわてて仮想通貨を買いにいっても、同じように儲かるはずはありません。相場の世界では、大もうけした人の真似をして同じものを買うと、大損することもありますから、注意しましょう。