トルコリラのマーケットが今、非常に不安定な状態になっています

 すでに流動性が極端に低下しているうえ、今週末には選挙という重要なイベントを控えているため、トルコリラ/円のポジションを保有している方は、十分な注意が必要です。

 トルコリラに異変が起きたのは、先週金曜日(3月22日)。それまで20円前後で取引されていたトルコリラ/円が、突然18.73円暴落したのが始まりです。

 選挙前で神経質になっていたトルコのエルドアン大統領は、これを欧米の銀行が仕掛けた投機的な動きだと激怒。トルコ中央銀行(CBRT)が、すぐさまトルコリラの調達(ファンディング)金利を引き上げるなどの通貨防衛策を打ち出したことで、翌日物スワップ金利が1,200%を突破する暴騰に。おかげでトルコリラ/円も一時21円近くに大幅反発するなど、下落は一時的に歯止めがかかりました。

 しかし、マーケットが通常の状態に戻ったわけでは全くありません。トルコリラ/円が上昇したのは、調達金利の高騰に耐えられずトルコリラの売りポジションが切らされたため。いわば、中央銀行による売り規制がかかっているからです。マーケットでトルコリラのリプライスを提示するマーケット・メイカーが極端に少ない状況で、スプレッドが拡大したり、場合によっては取引を一時的に停止になるリスクを十分認識していただく必要があります。