雇用伸び悩みは米国経済がピークを迎えたサイン?

 しかし、もし原因が後者、すなわち米国経済の減速だとすれば、問題はより深刻です。FRBは利上げ休止だけではすまず、緩和政策復活の必要に迫られる可能性もあります。市場ではすでにFRBが年内に1%の「利下げ」をするのとの見方も出ています。

 しかし、この考えはやや悲観すぎるかもしれません。米国の景気拡大は、今年7月には120カ月を超えて戦後最大を更新することはほぼ確実といわれています。雇用者増加が1回落ち込んだとはいえ、トレンドとしての労働市場は依然として堅調、米指標にも大きな不安は見当たりません。

 ただし、前回の景気拡大期では、それに続いて過去最悪のリセッションに陥ったという事実があります。世界経済にとっては、こちらのリスクが気になります。