もう間もなく3月末を迎えます。3月決算企業の配当金を目当てに株を買おうと思っている方もいるはず。でも、いくつか注意したい点があります。

3月末までに株を買っておくと、配当金はもらえるの?

 早いもので今年も3月終盤。3月決算企業の決算日を迎えます。3月決算企業の場合、3月末の決算日時点で株主名簿に登録されている株主は、配当金や株主優待(企業によってこれと異なる場合がある)を受け取ることができます。でも3月末ギリギリ、今年であれば3月29日にお目当ての株を買っておけばよいかというと、それでは間に合いません。

 売買代金の受け渡しや、株主登録の事務作業などの理由で、3月末の株主名簿に登録するには、3月最終取引日を含めて4営業日前(土曜・日曜・祝日除く)の時点で株を保有している必要があるからです。

 2019年の場合、3月29日が月内の最終取引日です。ここから4営業日さかのぼった3月26日の時点で株主になっていないと、配当金などを受け取ることができません。これを「権利付き最終日」と呼びます。

 

1日持っているだけで配当金をもらえる?

 そして、翌日の27日になると、3月末の株主が対象となる配当金を受け取ることができません。配当金を受け取る権利がなくなって(落ちて)しまうことから、これを「権利落ち日」と呼びます。

 2019年の場合は3月26日が権利付き最終日、3月27日が権利落ち日。ということは、3月26日に3月決算企業の株を買い、翌3月27日に売れば、配当金を受け取ることができます。

 今は配当利回りの高い銘柄が数多くあり、投資金額に対して3%、4%の配当金を受け取ることができるケースも珍しくありません。1日持っているだけで、3~4%の利回りになるなんて、そんなおいしい話があるのでしょうか?

 

確かに、配当金は1日保有するだけでももらえるが・・・

 もちろん、そうは問屋が卸しません。通常、「権利落ち日」になると、理論上は配当金の分だけ株価が値下がりします。

 例えば26日の株価500円、1株当たり配当金20円の銘柄の場合、26日に買って27日に売れば20円の配当金を受け取れますが、27日の株価は20円下がって480円になります。つまり、配当金で20円受け取ることができる一方、株価が20円値下がりするので、差し引きでプラスマイナスゼロになるのです。そして実際には、この理論通りに株価が動かないケースが結構あります。良くあるのが、配当金相当額以上に株価が値下がりしてしまうことです。

 上記の例でいえば、26日の株価500円、1株当たり配当金20円であるにもかかわらず、27日には480円ではなく460円まで値下がりする、という状態です。こうなると、配当金でプラス20円の一方、値下がりでマイナス40円と、差し引きでマイナスになってしまいます。

 配当金を受け取るだけのつもりが、株価の値下がりで結局マイナスになる・・・こんなことも結構頻繁に起こります。