長期的視点では、リーマン・ショック直後の安値と比較して大きな変動がないことが重要

 以下は、コモディティ銘柄を長期投資の対象として検討する上で、筆者が重要だと考える点です。 

 

 リーマン・ショック直後の安値にどのような意味があるのか? という点については、以前のレポートの「不確実性が高まっている今、長期的視点で見守りたいコモディティ銘柄5つ」の「リーマン・ショック直後の記録的な安値を、“新たな時代のスタート地点”と考える」の項で触れています。

 28のコモディティ銘柄における、リーマン・ショック直後の安値と定時点の価格との比較は以下のとおりです。

 

 上記は前回のレポート執筆時に示したリーマン・ショック直後の安値と2018年10月末を比較したもの、下記はリーマン・ショック直後の安値と2019年2月末を比較したものです。

 

 前回のレポートで注目した赤枠の砂糖、カカオ、天然ゴム、プラチナ、コーヒーの5銘柄の足元の価格は、2018年10月末でも2019年2月末でも、リーマン・ショック直後の安値に近いことが分かります。

 「勢いを伴って今まさに上昇している銘柄(例えばパラジウムや一部の金属)」と「歴史的な安値付近で推移している銘柄(例えば砂糖などの5銘柄)」という分類が、長期投資を前提としたコモディティの銘柄の選定において重要だと筆者は考えています。