NYダウはトリプルトップ形成に注意

 そして、ここ何回かのレポートでも触れましたが、株価水準が切り上がって節目を超えるタイミングは窓空けによってもたらされることが多く、海外市場、特に米国株市場に左右されやすい面もあるため、最後に米NYダウのチャートも確認します(下の図4)。

■(図4)NYダウ(週足)の動き(2019年3月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 NYダウは直近で2万6,000ドル台乗せを達成して上昇が一服している状況ですが、チャートの形状をざっくり見ると2万6,000ドル台乗せが3回あり、このまま上昇が止まってしまうと、「トリプルトップ」が意識されそうな感じになっています。

 ただし、「天井圏が形成されつつあるようだから、下振れ注意報が発令」というわけでもなさそうです。昨年末の株価急落時は「ダブルトップ」が形成されていたことを踏まえると、そこから再度2万6,000ドル台の水準まで株価を戻してきた米国株の底力の方を評価すべきなのかもしれません。

 この直近までの米国株上昇は、主にハト派寄りに傾いた米国金融政策や、米中協議の進展期待などが支えとなりましたが、これらは目新しい材料ではなく、また期待先行の部分も大きい面もあります。

 つまり、ここまでの株価の戻りでかなりの上昇エネルギーを使ってしまった可能性があるわけです。今週は注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が控え、FRB(米連邦準備制度理事会)のハト派姿勢を再確認する見通しが強くなっています。「適温相場再び」の声も聞かれるようになりましたが、トリプルトップ形成を覆すだけの上昇を見せられるかが焦点になりそうです。