日銀は追加緩和に動くか?

 15日、日銀の金融政策決定会合の結果が発表されました。追加緩和はありませんでした。現状維持は、事前予想通りであり、株式市場に特にサプライズはありません。ただ、最近、株式市場の一部で、「日銀が追加緩和に動く」との思惑が出ていることには、注意が必要です。

 FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)、中国人民銀行は、今年に入ってから、相次いでタカ派(金融引き締めに積極的)から、ハト派(金融引き締めに消極的・緩和に積極的)に転向しています。世界景気の減速が鮮明になってきたからです。この流れを受けて、日銀も、追加緩和に動くとの思惑が出ました。

 黒田日銀総裁は15日、追加緩和を否定しました。異次元緩和を継続中で、現実的にはこれ以上、緩和策を追加する余地がありません。日銀は、長期(10年)金利をゼロに固定したままで、日本株ETF(上場投資信託)を年間6兆円も買っています。これ以上、金利を下げると、副作用が大きくなることが自明です。さらに、国債や株の買い取り額を増やしても、景気浮揚効果はあまり期待できず、弊害ばかりが大きくなる可能性があります。

 それでも、追加緩和の待望論が消えないのは、追加緩和しないと、円高が進むリスクがあると考えられているからです。FRBが、米利上げや量的引き締めをやめるだけでなく、利下げの議論まで始めると、ドル高基調が崩れ、円高が進む可能性があります。

 日銀は公式には認めていませんが、量的緩和の最大の目的は、事実上、円高を防ぐことになっています。追加緩和をしても、景気浮揚効果はなく、弊害が大きくなるばかりと考えられますが、それでも、円高を防ぐために、追加緩和を望む声は高まる可能性があります。

 

 

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