4月の株主優待銘柄

 5月1日の改元と新天皇即位を控えた4月末。27日から10連休が始まるため、権利確定日は4月26日(金)、権利付き最終日はその3営業日前の4月23日(火)と、特例的に非常に早くなるので、皆さん、ご注意ください。

 優待の権利獲得には、4月23日の取引終了から翌24日(水)の優待権利落ち日までの株式保有が必要になります。

 4月優待株は、約27社※1と閑散期になります。700社以上※2の優待株があった最盛期の3月が終わり、「優待疲れ」を感じている投資家の方も多いかもしれません。数は少ないとはいえ、4月優待はお得度が非常に高い買物飲食系優待も多いので、気分を一新して、積極的に狙っていきたいところです。

※1、2:楽天証券「株主優待検索」より

 そんな4月優待で人気No.1となったのは、ビジョナリーホールディングス。「メガネスーパー」を中心にしたアイケア・カンパニーです。優待内容は、100株以上の保有で、4月末と10月末の年2回、1万円相当の「メガネレンズお仕立券」2枚と購入商品30%割引の「株主様特別ご優待券」1枚がもらえるというもの。8,000円強の投資金額で、年間2万円超の買物優待券を受けられるのが特徴です。

 人気ランキング2位は美容家電メーカーのヤーマンです。同社は毎年、豪華な美容関連の自社製品を贈ってくれる「セレブ系優待株」として有名で、昨年2018年4月末の株主には、100株以上500株未満の保有なら1万3,000円相当のファンデーション、500株以上なら、なんと4万6,000円相当の飲用ボトル付きピュア水素水スチーマーが贈呈されました。今年もどんな自社製品が贈られるのか、楽しみです。

 第3位は、飲食店向けに中古厨房機器の販売を行うテンポスホールディングスです。多くの外食企業を顧客に持つ同社の優待は、100株以上の保有で年1回、8,000円相当の優待食事券がもらえるというもの。同社の顧客である、実に幅広い外食レストランや居酒屋チェーンなど、協力企業店舗で利用できます。

 利用可能なのは「ステーキのあさくま」や居酒屋「串屋横丁」、肉料理、和食、中華、エスニックなど実に多彩です。あくまで協力企業なので、店舗によっては利用条件が設定されているところもありますが、多種多様な店舗で利用できるので、使い勝手のよさも◎。しかも、約22万円の投資で8,000円分の食事券ですから、お得度の面でも非常に利用価値の高い優待といえるでしょう。

 人気4位は、投資用の高級賃貸マンション「ジェノヴィア」シリーズを展開する不動産会社のグットコムアセット。4月末、10月末の株主に対して、年2回、各2,000円のクオカードを贈呈してくれます。

 クオカード優待というとたいがい1年で1,000円程度が一般的ですが、約14万円の投資で年間合計4,000円はかなりの大盤振る舞いといえます。さらに、2019年10月期の株主配当(会社予想)は1株あたり47円の大幅増配で、配当利回りだけでも3%超という好配当も、人気の秘密といえるでしょう。

 その他、人気6位のくらコーポレーションは、100株保有で優待食事券2,500円がもらえるので、回転すしチェーンの「くら寿司」をよく利用する人なら取得を考えたいもの。また、100株保有で1,500円相当の自社製品詰め合わせがもらえる7位の伊藤園は、古くから優待株ファンに愛される“老舗優待”として有名です。

 その伊藤園の人気順位が7位ということからも見ても、3月の優待株祭り直後でなにかと見過ごされがちな4月優待企業の「頑張りぶり」は評価に値します。

 

即位の礼を挟んだ10連休に注意!

 例年、4月の株式相場といえば、新年度入りで新規資金が流入するため、株価も好調に推移することが多い時期といえます。ただ、今年は新天皇即位を祝う10連休が続くこともあり、その直前には株の換金売りも見込まれそうなので、少し注意が必要になってくるでしょう。

 また、現物買いと信用取引の新規売りを両建てにするつなぎ売りでは、10連休を挟んだ受け渡しになってしまうため、信用売りの貸株料は最少12日分になります。コストについては、あらためてチェックが必要です。