アミューズ

1.2019年3月期3Qは、3%減収、24%営業減益

 アミューズもライブブームの恩恵を受けている会社です。2019年3月期3Qは、売上高138億700万円(前年比3.1%減)、営業利益8億2,800万円(同23.6%減)と、減収減益となりましたが、これは今期は1Qに大型ライブが集中したためです。今1Qには、「福山雅治」「ONE OK ROCK」「SEKAI NO OWARI」の大型ライブがありました。今1-3Q累計では、12.5%増収、9.8%営業増益となっており、業績は堅調です。

表4 アミューズの業績

株価 2,375円(2019/3/7)
発行済み株数 17,302千株
時価総額 41,092百万円(2019/3/7)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:発行済み株数は自己株式を除いたもの
注2:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益

 

2.2019年2~3月に「星野源」のドームツアー、サザンオールスターズは3月から全国ツアー

 今1Qに続き、今4Q(2019年1-3月期)も大型ライブが予定されています。まず、「星野源」が2~3月に動員予定約33万人のドームツアーを行っています。「サザンオールスターズ」は3月30日から40周年記念ツアーを行います(動員予定は約50万人)。また、今期を通して見ると、「Perfume」「ポルノグラフィティ」など当初予想を上回る動員数を実現するアーティストも出ています。これもライブブームの恩恵と思われます。

 今期のライブ動員数予想は、期初予想180万人(上期100万人、下期80万人)が今2Q決算時に200万人(上期100万人、下期100万人)に上方修正されました。ただし、実際には今4Qの「星野源」をはじめとして、「福山雅治」「ポルノグラフィティ」などが好評で、下期120万人、通期220万人程度の動員が実現しそうです。

 このため、今期会社予想業績は売上高485億円(前年比2.6%増)、営業利益38億円(同13.7%増)ですが、楽天証券では売上高505億円(同6.8%増)、営業利益40億円(同19.7%増)と予想します。なお、今期は不動産売却益が特別利益に計上されるため、当期純利益の水準が高くなります。

 

3.来期も業績堅調が予想される

 来期2020年3月期は、上期は「サザンオールスターズ」40周年記念ツアー、「SEKAI NO OWARI」全国ツアー、下期は「ONE OK ROCK」国内ツアー(上期に海外ツアーを行う予定)、「福山雅治」冬の感謝祭などが予定されています。

 また、「福山雅治」「BABYMETAL」のニューアルバムが来下期に発売される可能性もあります。実現すれば、来下期または来々期上期に全国ツアーの可能性があります。

 今期同様、ファンクラブと旧譜(以前のアルバム)の売り上げも順調と予想されます。

 来期のライブとニューアルバムの計画が未定のものが多いため、現時点では来期を十分見通せるわけではありませんが、今期に続き人気アーティストのライブが多いもようであり、ニューアルバムの可能性もあります。

 このため、楽天証券では来期業績を売上高520億円(前年比3.0%増)、営業利益43億円(同7.5%増)と予想します。前回予想の売上高510億円、営業利益46億円から営業利益を下方修正しますが、これはサブスクリプション型音楽配信(スポティファイなどの月額定額制音楽配信)の効果を慎重に見たためです(前回予想ではサブスクリプションの効果を比較的多めに見積もりました)。

 今後6~12カ月間の目標株価は、3,000円を維持します。引き続き投資妙味を感じます。