本日の注目通貨

ドル/円:112円をつけられなかった

 ドル/円は、堅調さを保ちながらも112円手前で足踏み状態。高値は111.92円で、4営業日ぶりに112円をつけられず。112.50円より上には売りが観測され、(以前はレジスタンスだった)100日、200日移動平均の111.38円がサポートになっています。この日の安値は111.62円。

 なお、この日は明日発表の米2月雇用統計の先行指標となるADP雇用データが発表されました。結果は+21.3万人の予想に対して結果は+18.9万人。雇用統計の詳細レポートは「3月6日:米労働市場は人手不足が深刻。米利上げ再開は意外と早い?」をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

豪ドル:大幅下落

 6日の東京市場で豪ドルが急落。豪GDP(国内総生産)が予想を下回り、利下げ観測が一段と強まったことが引き金。豪ドル/円は79円前半から78円半ばまで下げ、NY時間にはさらに78.39円まで落ちました。豪ドル/ドルは0.7100ドル付近からNY時間には0.7020ドルまで下落、1月のフラッシュクラッシュ以来の安値をつけました。

 今週、RBA(豪準備銀行)は政策金利を1.5%に据え置きました。決定は予想通りでしたが、マーケットでは、RBAが年内中に25ポイントないし50ポイントの「利下げ」をするだろうとの見方が広がっています。

 豪経済は、1月の雇用データを除くと弱いデータが目立ちます。5日(昨日)の第4四半期GDPは前年比+2.3%という結果。予想より悪かっただけではなく、RBAの目標も下回りました。家計消費動向にも強い不透明感があると報告されています。

 ロウRBA総裁は、失業率低下と経済成長に伴いインフレも上昇するとの判断で今のところ利下げはそれほど積極的ではなく、「今年は利上げしない」と発言するにとどまっています。

 しかし、経済成長が予想を下回る結果となり、頼みの綱である失業率も悪化することになった場合、ロウRBA総裁は利下げに追い込まれることになるでしょう。マーケットの予想はすでにRBAの先を走っていて、利下げ予想を当初の11月から7月に前倒しています。いずれにしても、豪ドルにとっては、雇用データが重要な指標となります。

 豪ドル/円のサポートは、78.00円、77.50円、77.00円、レジスタンスは79.35円、79.85円。

 豪ドル/ドルのサポートは、0.7000ドル。1月のフラッシュクラッシュで一瞬ブレークしましたが、この水準は過去3年間続く強力なサポートゾーンです。その下は0.6825ドル。レジスタンスは0.7100ドル、0.7200ドル。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成