本日の注目通貨

 英国はブレグジットで混乱、欧州ではイタリアがすでにリセッション入りしてドイツ経済も減速してます。オーストラリアもNZも経済悪化で年内利下げの噂も。FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを中止してドル悲観論が広がりましたが、一周回って結局買うのはドルしかないという結論になりそうです。

ポンド:ブレグジット疲れ、ポンドショート疲れ

 BOE(イングランド銀行、英中央銀行)はこの日の会合で、予想通り政策金利を0.75%に据え置きました。決定は予想通りでしたが、同時に公表された四半期インフレレポートにおいて英国の成長率が下方修正されたことをきっかけにポンドが売られ、ポンド/ドルは1.2851ドル、ポンド/円は141.13円まで大きく下落。

 カーニーBOE総裁も、EU(欧州連合)との条件を決めないまま離脱する、いわゆるノーディール・ブレグジットになった場合、英国経済に及ぼす影響は甚大であると警告。しかし同時に、そうなったとしても必ずしも利下げが必要になるわけではないし、英国経済は上向いていると自信ものぞかせました。

 英国の離脱相とEUのバルニエ首席交渉官が、アイルランドのバックストップ条件について交渉を再開するとのニュースが入ると、一転して買い戻しが優勢に。ポンド/ドルは1.2996ドル、ポンド/円は142.63円まで急反発しました。

 ブレグジットの先行きが不透明なわりには底固く、最近はポンドのショート作戦が成功していないようです。英国とEUではっきりした決着が出るまで、プライズが上下に方向感なく振れる状態が続きそうです。

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NZドル/円:撃沈

 今週の豪ドルはドルに対しても、円に対しても大きく下落しました。RBA(豪準備銀行)のロウ総裁が、政策金利の見通しについて「バランスしている」と発言したからですが、これまでは「次は利上げ」だったわけですから、金融政策が引き締めから中立へと「後退」したことになります。

 オセアニア仲間のNZドルは豪ドルに連れ安となったのですが、失業率が予想以上に悪化したことで売りが加速、NZ/円は8日の東京市場で先月25日以来となる73円台まで下げています。

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