先週のNYダウは75日移動平均線を上抜け、週末2月1日終値時点で節目の2万5,000ドル台に乗せてきました。米国株市場は決算を好感する動きに加え、FRB(米連邦準備制度理事会)金融政策のハト派スタンスの安心感、米中摩擦も交渉継続と首脳会談への期待による不安後退などが株価を押し上げた格好です。月間ベースでも、S&P500指数の1月の上昇率は8%近い上昇を見せていて、同月としては1987年以来の大幅高となっています。

 日本株は米国株と比べて出遅れている格好のため、今週も米国株が堅調な展開が続けば日経平均も2万1,000円トライが視野に入ってきます。

■(図3)日経平均(日足)の線形回帰トレンド(2019年2月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 上の図3は、日経平均の直近高値である昨年10月2日を起点とした線形回帰トレンドですが、日経平均は今年の1月に入って+1σ(シグマ)の線を上抜けるところまで値を戻し、+2σも射程圏内に捉えています。

 +2σまでの株価上昇は「下落トレンドの中の戻り」ですが、ココからさらに上を目指していくには「下落トレンドから脱する戻り」へと局面が変わることになりますので、いったん戻り待ち売りや利益確定売りが出やすい価格水準になります。先週末時点の+2σは2万1,224円ですので、2万1,000円台乗せ後の動きが重要になってきます。

 同様に、週足でも見ていきます。

■(図4)日経平均(週足)の線形回帰トレンド(2019年2月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 

 週足では、昨年までの上昇トレンドが始まった2016年6月下旬を起点に線形回帰トレンドを描いていますが、こちらは−2σのところまで株価が戻してきたところに位置しており、「上昇トレンド下限の線への回復」が試されている状況となっています。

 基本的には、何だかんだで今週も堅調な展開がメインシナリオになりそうですが、移動平均線にも注目すると、26週と52週移動平均線が−1σを下抜けているほか、13週移動平均線が−2σを下抜けようとしています。値動きの中心線である移動平均線がトレンドの範囲を下抜けようとしているため、今週の相場展開が軟調となった際には注意が必要になりそうです。