本日の注目通貨
ドル/円:109円がすでに重い
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、1月の会合でハト派転向を表明。FOMCが弱気(慎重)になるというのはマーケットも薄々感じていましたが、それでも今年1回くらいは利上げするだろうという希望も持っていました。しかしパウエル議長の会見内容はFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げサイクルが「終了」したことを示唆するもの。投資家は米利上げ前提の見直しとそれに伴うポジション調整に迫られています。
FOMC後に108.81円まで下げたドル/円は、31日の東京市場に当日高値となる109.07円をつけた後、再びじりじりと値を下げ108.52円まで下落。NY市場午後に反発が見られましたが109円台には復帰できないまま終値は108.88円。
今夜は米国の1月雇用統計の発表があります。(詳しい解説については「米国の労働市場はすでに「下り坂」?」をご覧下さい。)
23日に発表された、先行指標であるADP雇用データが予想以上に強く、期待が盛り上がっていたのですが、24日の新規失業保険申請件数(前週分)は、逆に25.3万件(前回19.9万件)に大幅悪化。米政府機関の閉鎖の影響のため統計が間に合わないという事情があるようで、今回についてはデータを信頼しすぎないのがいいのかもしれません。
FOMCは雇用市場が強いことを十分に承知しています。そのうえで利上げ中止に踏み切りました。だから、今夜の雇用統計が強いからといって、FOMCが決定をひるがえすことはないでしょう。
リスクは「雇用統計が予想より悪かった場合」です。利下げ中止にとどまらず「利下げ」へと憶測が広がれば、ドルにとっては大きなダメージとなります。