4%利回りの個別REIT銘柄に注目する

 現在、東京証券取引所では61銘柄のREIT投資法人が上場されています。また、REITが投資する商業用不動産の業種は、オフィスビル、ショッピングセンター(商業施設)、賃貸住宅、物流倉庫、ホテル(旅館)リゾート、インフラ、複合型などさまざまな用途があります。

 個別銘柄や業種のリスクを分散したいなら、多くのREIT銘柄に分散投資する追加型公募投信やETFを活用できます。個人投資家や法人投資家の分散投資ニーズに応えるため、東証REIT指数連動型ETFの品揃えが増え、2014年3月時点で3銘柄だったJ-REIT型ETFの数は7本まで増えてきました。

 時価総額が比較的大きいETFとしては「Next Fund東証REIT指数連動型上場投信」(1343)、「上場インデックスファンドJリート隔月分配型」(1345)などが挙げられます。公募投信やETFを活用すれば、銘柄や業種だけでなく、不動産物件所在地を首都圏、関西圏、福岡圏などに広く分散できます。一方、個別銘柄を「利回り重視」で選別することも可能です。

 参考情報として図表3は、J-REIT61銘柄のうち、時価総額が2,000億円以上の(市場で相対的に評価されている)銘柄群について、分配金利回りが4%以上の銘柄のみを利回りの降順(高い順)で表示した一覧です。

 J-REITは投資資金の規模やニーズに応じて業種や物件所在地域を分散し、株式投資の資産と組み合わせてポートフォリオ(リスク分散)効果を期待していきたいと思います。

図表3:J-REITの利回り上位銘柄(参考情報)

  コード 銘柄名 業種 時価総額 価格 分配金 利回り
1 8963 インヴィンシブル 賃貸住宅 2,680 47,000 3,136 6.7
2 3292 イオンリート 商業施設 2,252 126,300 5,970 4.7
3 8985 ジャパン・ホテル・リート ホテル 3,723 83,500 3,890 4.7
4 8964 フロンティア不動産 商業施設 2,217 446,500 20,980 4.7
5 3281 GLP 物流倉庫 4,378 235,900 5,174 4.6
6 8961 森トラスト総合リート オフィス 2,219 167,000 7,300 4.4
7 8960 ユナイテッド・アーバン 複合型 5,294 173,400 7,003 4.1
8 3279 アクティビア・プロパティーズ 複合型 3,596 470,500 19,046 4.1
9 8984 大和ハウスリート 賃貸住宅 4,941 257,100 10,240 4.0
10 8967 日本ロジスティクスファンド 物流倉庫 2,073 229,700 9,240 4.0
11 3462 野村不動産マスターファンド 複合型 6,751 156,200 6,131 4.0
12 8953 日本リテールファンド 商業施設 5,833 223,000 8,840 4.0
注:分配金は投資法人の見通しや市場予想平均(Bloomberg集計)を年率換算。東証上場のJ-REIT(61銘柄)のうち、時価総額2,000億円以上、分配金利回りが4%以上のみを一覧。銘柄名は、末尾に投資法人がつく。業種は、REIT内の業種。価格は直近の取引価格。利回りは分配金利回り。単位は、時価総額は億円、価格は円、分配金は円/年率、分配金利回りは%。上記は参考情報であり、特定の銘柄を推奨する目的のものではありません
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1月30日)

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