1月15日~18日 原油マーケットレビュー

 前週のNY原油相場は続伸。ブルベア要因まちまちで、決め手難から方向感を欠いた展開のなか、週末にやや値位置を切り上げた。

 週前半は、中国要因を背景に往って来い。週初に発表された12月の中国の貿易統計で、輸出入はともに前年同月を下回った。米中貿易摩擦が激化していることで、中国の貿易に支障が出ていることが確認された。これを受け、中国の経済減速に伴うエネルギー需要の減退観測が広がった。しかし、翌営業日、中国国家発展改革委員会は、景気刺激策を打ち出す可能性を示唆。前日には同国経済の減速懸念が強まったが、一転してその懸念は後退、エネルギー需要の回復への楽観が広がる格好となった。両日とも株式も同様に反応、株価連動で原油も上げ下げする動きとなった。

 週後半は、株価上昇から確りとした動きとなるも、需給面の弱さが上値を抑え、上げ幅は限られた。米株式市場は、明確に相場を一段押し上げるほどの材料を欠いたが、米中関係の改善を期待した動きから堅調に。また、好調な大手行決算や英議会が欧州連合(EU)離脱案を否決したことなども支援材料となった。株価上昇からリスク選好度が増し、株高に歩調を合わせる格好で原油相場も底堅い動きとなった。

 しかし、米国を中心とする需給の弱さが上値抑制要因となり、上放れるには至らず。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油統計で、原油在庫は市場予想以上の減少となった。しかし、シェールオイルの増産の影響から原油生産量が過去最高水準へと高まっており、かつ原油輸出量も堅調なことから、1月からの石油輸出国機構(OPEC)らによる協調減産の効果が薄れるとの見方が広がった。また、ガソリンやディスティレートなど石油製品在庫が大幅な積み増しとなり、さらにガソリン消費が伸び悩んでいることもあって、先々の原油に対する需要が減少することが懸念された。ガソリン在庫の大幅増に関しては、一部ではメキシコのパイプライン停止が影響しているとの見方もあったが、需給面に対する市場の見方は総じて弱気だった。