本日の注目通貨

ドル/円:米中貿易戦争が終結へ?

「米国が中国に対する制裁関税を解除」の報道で、109円近辺にあったNY時間のドル/円は、一瞬で109.41円まで上昇。ダウ平均株価も跳ね上がりました。ニュースは否定されましたが、ドル/円は108円台に戻すことなく109円台前半でしっかり。目先の目標は1月2日の高値109.73円になります。(チャート1)

 関税撤廃は非現実としても、米国は追加関税率を引き上げることなく10%に据え置く方向で検討している模様。とりあえず、米中貿易戦争はこれ以上悪化しないとの安心感がリスク資産を支えました。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ポンド/ドル:全面高の展開

 内閣不信任案が議会で否決されて選挙や政権交代などの政治的混乱がひとまず避けられたこと、3月29日のEU離脱期限の延期やノーディール・ブレグジット(合意なしの離脱)を回避する動きが活発化してきたことなどが、ポンドの支援材料となりました。

 ポンド/円は142.22円まで大幅上昇、昨年12月19日以来の高値をつけました。15日の離脱協定案の投票時の安値(137.33円)から2日間で5円も上昇したことになります。ポンド/ドルの高値は1.3001ドル。1.30ドル台に乗せるのは昨年11月15日以来のことです。(チャート2,3)

 マーケットは基本「ブレグジット反対」なので、期間延長や国民投票に対してはポンド買いで反応することになります。反対にノーディール・ブレグジットのニュースにはポンド売りとなります。

 最近の英世論調査によると、成人の56%が残留を希望していて、この割合は2016年の国民投票以降で最大。労働党のコービン党首は、2回目の国民投票を画策しています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
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