積水ハウスは、株価バリュエーションで見ると、とても割安に見えます。予想PER(株価収益率)8.3倍、PBR(株価純資産倍率)0.89倍まで売り込まれています。これは、住宅業界の利益がピークアウトすると思われていることが原因です。

 アパート建設は、歴史的な低金利で一時大きく伸びましたが、既にピークアウトしつつあります。相続税引き上げで、相続対策としてのアパート建設が一時増えましたが、それも一巡しました。全国に空き家が増加し、アパートが供給過剰になることが懸念されています。そうした中、最近、無理にアパートを売ろうと不正融資や押し込み販売をやっていたという不祥事も出ています。こうした環境ですので、住宅関連株は今、投資家に人気がありません。

 積水ハウスの営業利益は前期(2018年1月期)に過去最高を更新していますが、今期(2019年1月期)は、5%の営業減益を予想しています。同社が開示している受注(全部門合計)は、今期、2018年2月から11月までの累計で、前年同期比3%減です。来期以降も、業績は伸び悩むことが予想されます。

 ただし、私が注目するのは、積水ハウスの株価が過度な悲観を織り込んで、割安に売り込まれていると考えられることです。

 積水ハウスは、過去に何度も住宅ブームとブーム終焉を経験しています。その経験から、経営を安定化させるために、住宅建設だけに依存した経営体質を改善中です。

 ストック型ビジネス(リフォーム事業・不動産フィー事業)、国際ビジネス(オーストラリア・中国・米国・シンガポール)など、経営の多角化に取り組み中です。取り組みは道半ばですが、過去に比べると、収益力は安定的になりつつあると評価しています。

 

 

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