今週は、英国発のリスクにも注意

 ブレグジット(英国のEU離脱)の条件について、英国とEU(欧州連合)の交渉が大詰めを迎えています。4月から離脱の移行期間に入るため交渉期限は来年3月です。それまでに離脱条件について、合意が成立しないとハード・ブレグジット(合意なき離脱)となります。英国とEUの間の通商・経済連携にいきなり大きな障壁ができ、英国・EUともに大きなダメージを受けます。

 12月11日、英国議会で、英・EUがまとめた離脱合意の採決が行われます。与党内からも反対派が多く、成立するか予断を許しません。万一、否決されるとハード・ブレグジットのリスクが高まります。

 政権が不安定化しているのは、英国だけではありません。フランスでは、マクロン大統領の支持率が低下し、全国で抗議デモが活発化しています。反EU政党の五つ星が政権を握ったイタリアも、いつ反EUに舵を切りかねない状況です。ドイツでも、メルケル首相退任を求める圧力が強まりつつあります。

 EU各国で「自国中心主義」「反EU・反移民」を唱える極右・極左勢力が力を持ち始め、政権が不安定化しつつあります。

 日本株は、長期的には買い場に入っていると考えています。ただし、短期的には一段の下落を警戒した方が良い環境と考えています。

 

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