本日の注目通貨

ドル/円:112円台から113円台前半まで戻す

 水曜日のドル/円は、1日かけて112.65円から113.24円まで回復。下抜けすることはなく、ほぼ1カ月間、113円台を中心に112円台前半から114円台のレンジ取引が続いている状態です。

 オプション市場ではドル/円の1カ月物ボラティリティが、約4年4カ月ぶりとなる5.8%まで低下。ドル/円の動きの乏しさを反映したものですが、その分マーケットにエネルギーが溜まっているともいえます。

 例えば、2015年12月はドル/円のボラティリティが6%まで下がっていたのですが、翌2016年1月4日にチャイナショックが発生、ボラティリティは15%まで跳ね上がりました。2015年8月の時は、ボラティリティが7.00%で低迷していたところに、8月24日にダウ平均株価が1,000ドル超の下げを記録、ドル/円は1日で4円も円高に動きました。

 格付け会社フィッチは、世界景気に減速傾向が見えていると警告しています。豪州の経済成長は予想を下回り、カナダ銀行は景気見通しを強気から慎重姿勢に後退、来年1月の利上げ確率は5割以下に急落しています。欧州経済もさえず、ECB(欧州中央銀行)は果たして来年利上げできるのかという疑問の声が出始めています。

 今のドル/円は、平和なレンジ取引が続いてますが、取り巻く環境は不穏な動きが見えています。年末、あるいは来年早々の大相場に向けて燃料が蓄積されているように思えます。