米・中間選挙のシナリオ別に相場展開を予想
かつてないほど投資家に注目されている米・中間選挙が来週(11月6日)に迫っています。市場がほぼ織り込んでいる選挙結果は、「上院で共和党が過半数の議席を維持し、下院は民主党が過半数を奪回」とされています。
Real Clear Politics(政治調査分析会社)による事前の票読みでは、「上院100議席のうち共和党が50議席で優勢(民主党が44議席、接戦6議席)、下院435議席のうち民主党が203議席で優勢(共和党が198議席、接戦34議席)」となっています(10月31日)。
「トランプ政権と議会の関係がねじれる」とのシナリオです。かつての中間選挙の多くで与党(今回は共和党)が押された経緯があり、民主党の下院優勢はメインシナリオと言えそうです。
この場合、「リスクイベントの通過(消化)」とみなす安堵感で選挙後に市場のリスク選好姿勢がやや回復する可能性がありそうです。一方、リスクシナリオは「民主党が上下両院の過半数を獲得して勝利する」選挙結果とされます。この場合、トランプ政権は「レイムダック(大統領府の機能不全)」に陥り、民主党議会による大統領弾劾発議(手続き開始)もいよいよ視野に入ってきます。
この場合、政治的な不透明感が強まり、米国株とドルが波乱含みとなる可能性があります。米国株とドル円が下落(円高)すれば、日本株の押し下げに繋がると予想せざるを得ません。逆に、共和党が上下両院議会で過半数を維持する結果となれば、「国民の信任を得た」とみなすトランプ共和党が、次回大統領選挙(2020年)に向け財政出動(中間層向け減税やインフラ投資推進)を進めやすくなり、株式とドルにはベストシナリオとなりそうです。
もちろん、過去の経験によると、選挙結果や実際の市場の反応に予断は許されず、警戒を怠れないことは言うまでもありません。
図表4:米・中間選挙のシナリオ別相場見通し(参考情報)
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