乱気流入りした日米株式に下げ過ぎ感も
株式市場はエアポケット入りしたかのようです。エアポケットとは、航空機が大気中の下降気流に突入し高度を急激に落とす乱気流域のことです。
10月10日以降の米国株急落を受けたアルゴリズム売り(機械売り)にリスクパリティ売り(リスク許容度低下に伴うポートフォリオ調整)が重なり、米国株は大幅続落。投機筋を中心に外国人投資家が先物売りを先行させた結果、日経平均株価も急落を余儀なくされました。
「売りの口実」は、米金利動向、米中貿易戦争、中東の地政学リスクなどがあります。株価下落で弱気が広まる中、米国の景気後退入り(企業業績の減益)を唱える悲観論も台頭しています。
ただ、波乱相場で日米市場が割安感を鮮明にしている状況にも注目したいと思います。
図表1は、S&P500指数とTOPIX(東証株価指数)をベースにした予想PER(株価収益率)の推移を示したものです。S&P500の予想PERは15.4倍、TOPIXは12.3倍と近年みられた最安圏まで低下しました(10月25日)。
図表2でPERのベースとなる、12カ月先予想(市場予想平均)EPS(1株当たり利益)を見ると、米国で前年同時期の予想EPSより21.6%増加、日本は13.8%増加となっています。
相場全体だけでなく、個別銘柄でも「業績見通しを加味した割安感」を冷静に見極める姿勢が重要となりそうです。
図表1:株価急落で日米株式の「割安感」が鮮明に