ナスダック100の利益成長ペースは優勢を維持
ただ、世界のAIoT(AI+IoT=人工知能+産業のインターネット化)進展は、半導体関連の短期的な需給変動(在庫調整)を乗り越え、第4次産業革命(デジタル革命)の原動力として世界の産業界をリードし続けると考えます。
例えば、「CASE(Connectivity、Autonomous、Shared、Electric)」の略称で呼ばれる自動車業界における構造変化で、AIoTの普及は「インターネットとの接続性」「自動運転化」「シェア・サービス化」「電動化」に領域を広げつつあります。
こうしたトレンドは、自動車最大手として危機感を強めたトヨタ自動車が、世界のAIoT系スタートアップ企業に投資拡大を進めるソフトバンクグループとの異業種提携に踏み切ったことで明らかです(10月4日発表)。
図表4は、2007年を起点としたナスダック100指数の暦年EPS(1株当たり利益)とS&P500指数の暦年EPSについて、2007年から2017年まではEPS実績を、2018年から2020年までは予想EPS(市場予想平均)を示したものです。
ナスダック100指数の利益成長ペースがS&P500指数の利益成長ペースを大きく上回り、その成長ペースが2017年から加速していることが分かります。今後もクラウド、ビッグデータ、AI、IoT、ロボティクス、サイバーセキュリティなどの需要拡大がIT関連企業の利益を拡大させていくとみられています。
ただ相場全体の下落で、ナスダック100指数の2018年予想PERは約19倍まで低下しています(10月24日)。目先は、IT大手銘柄が7~9月期決算の発表で収益の成長持続が確認できるか否かに注目したいと思います。
図表4:ナスダック100とS&P500のEPS(実績と市場予想平均)
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