ナスダックの行方が米国株式を左右するカギ
日本株式の底入れを想定する上で、米国株式の底入れは欠かせないものと考えています。
特に、米国株式の行方を左右するカギとしてナスダック相場の行方に注目しています。
ナスダック総合指数やナスダック100指数(ナスダックの時価総額上位100社で構成される指数)は8月29日に最高値を更新して以降、一部の大手IT銘柄の悪材料や米長期金利上昇を契機とする「グロース(高PER)売り」で株価下落を余儀なくされました。
IT分野の中でも、コモディティ系半導体(電子部品・デバイス)の業績サイクルは、短期的な在庫増加、単価軟調、生産調整で業績見通しが総じて下方修正されました。
中国におけるIT関連の設備投資需要が一服したことで、日米の半導体製造装置の業績見通しと株価は低迷。23日に米テキサス・インスツルメンツ(TI)が発表した業績見通しが失望的な結果だったことで、24日はフィラデルフィア半導体株価指数の下落に拍車がかかり、幅広いIT銘柄の下げにつながりました。
図表3は、過去約10年間(2018年初=100)における各種株価指数の推移を比較したものです。長期的にはナスダック100指数やナスダック総合指数の優勢が、S&P500指数の堅調をけん引してきたことが分かります。とは言っても、成長期待が高い分野だけに、ナスダック関連の株価変動は、米国市場平均(S&P500指数)の変動を介して日本株式(TOPIX)に影響を及ぼしてきたことが知られています。