金利上昇ショックが完全に収まるには、まだ時間がかかる

 先週、金曜日(10月12日)、日経平均は103円高の2万2,694円と反発。NYダウも、287ドル高の2万5,339ドルと反発しました。株が割安と見る資金の押し目買い(移動平均線と接する部分を「底値」と考え、底値に近づいた状態、もしくは少し下回った状態で購入する方法)が出始めたと考えられます。

 ただし、これで、今回のショックが終了したと見ることはできません。株安のきっかけとなった米長期金利が10月12日時点で、まだ3.159%と3.2%に近い水準に留まっているからです。また、12月に利上げが再び見込まれる状況も変わっていません。利上げのペースが鈍化する見方が広がらない限り、金利上昇ショックは終結したと言えません。

 ただ、トランプ大統領が、再び利上げを続ける米FRBを批判し始めた点は、注目に値します。そろそろ利上げをやめるように、政治圧力がかかる可能性もあります。また米利上げによって、新興国からマネーが逃げ出し、新興国の経済危機を招きつつあるとの国際社会からの批判も、FRBの政策に影響する可能性があります。

 

ショックが収まるための条件

 米FRBが利上げペースを緩めることを示唆すれば、株式市場の立ち直りに貢献すると思われます。ただし、その場合、ドル安(円高)が進みやすくなることに注意が必要です。

 もっと重要なのは、日米とも業績拡大が続いていることを確認することです。これから始まる日米の7-9月決算が注目されます。日米とも業績拡大により、PER(株価収益率)で見た割安感が強まれば、NYダウ・日経平均ともに底打ち、反発に向かうでしょう。ただし、企業業績にブレーキがかかっているようだと、底打ちの時期は遅くなります。

 日本の7-9月決算で注目しているのは、ロボット・工作機械など中国関連株の業績動向です。貿易戦争の影響で中国景気が減速している可能性があり、それが日本の中国関連株にどう影響しているか、見極める必要があります。

 

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