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外国人の先物売買に翻弄される日経平均、米長期金利上昇で再び売り越し
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

外国人の先物売買に翻弄される日経平均、米長期金利上昇で再び売り越し

2018/10/9
・米長期金利上昇、NYダウ下落を嫌気し、日経平均は再び2万4,000円割れ
・NYダウも同じ動き:貿易戦争の不安低下で買われたが、米金利上昇を嫌気して下落
・貿易戦争の不安はやや低下したものの、米金利上昇の不安は継続
・9月の雇用統計は、強いと解釈される
・外国人の先物売買で乱高下する日経平均:先々週は売り越し
・これから始まる9月中間決算に注目
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米長期金利上昇、NYダウ下落を嫌気し、日経平均は再び2万4,000円割れ

 先週の日経平均株価は、1週間で336円下落し、2万3,783円となりました。10月2日には一時2万4,448円をつけ、2万4,000円から上放れたように見えました。しかしその後、米長期金利上昇を嫌気してNYダウが下落すると、日経平均も売られ、再び2万4,000円を割れました。

日経平均週足:2017年10月2日~2018年10月5日

 今年の日経平均は、2つの不安に振り回されて、乱高下しています。貿易戦争がエスカレートして世界景気が悪化する不安と、米金利上昇で世界の金融市場が悪影響を受ける不安です。

 2つの不安から、2~3月に日経平均は急落しました。その後、2つの不安が緩和するにしたがって、日経平均は値を戻してきました。

 先週前半は、「トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争は、日本にとってそんなに悪い結末とならない」という見方が広がったこと、9月の米利上げを世界の金融市場が無難にこなしたと受け止められたことから、日経平均は一時、2万4,448円まで上昇しました。ところがその後、米金利上昇の不安が復活したために、再び2万4,000円割れとなりました。

 

NYダウも同じ動き:貿易戦争の不安低下で買われたが、米金利上昇を嫌気して下落

 先週のNYダウは、1週間で11ドル下がって2万6,447ドルとなりました。先週前半、9月の米利上げを無事こなしたと見られてNYダウは反発しましたが、先週後半、米長期金利が3.2%を超えたところで、あらためて金利上昇を嫌気した売りが出ました。 

NYダウ週足:2017年10月2日~2018年10月5日

 

米10年金利・1年金利の動き:2012年1月末~2018年10月5日

 

貿易戦争の不安はやや低下したものの、米金利上昇の不安は継続

 トランプ大統領が仕掛ける貿易戦争は、日本にとってそんなに悪い結末にならないとの見方が広がってきています。日本は、農産物などでさらなる市場開放を迫られる可能性がありますが、自動車輸出に高関税が課せられるリスクは減少したと考えられます。

 米中貿易戦争はエスカレートしつつありますが、それでも全面戦争にならないぎりぎりのラインで交渉が続いています。米国の圧力で中国市場がより開放されると、日本にとってはメリットとなります。まだ不透明要因は多いものの、貿易戦争によってダメージを受ける不安は、足元やや低下したと見られています。

 ただし、米金利上昇の不安はまだ続いています。9月に続いて12月にも米利上げが見込まれていることから、金利上昇に伴う不安は簡単には払拭されそうにありません。

 

9月の雇用統計は、強いと解釈される

 10月5日に発表された9月の米雇用統計は、強いと解釈されました。完全失業率が前月比0.2ポイント低下の3.7%となったためです。平均時給が前年比で2.8%伸びていることも、雇用情勢が強いことを示しています。

米雇用統計「完全失業率」の推移:2014年1月~2018年9月

出所:米労働省

 

 短期的な米景気の動向をよく表すとして注目が高い「非農業部門の雇用者数」は、前月比で13万4,000人の増加でした。景気好調とみなされる20万人増を下回っていました。

 

米雇用統計:非農業部門の雇用者増加数の推移:2014年1月~2018年9月

出所:米労働省

 それでも、米雇用情勢が強いとの見方は、変わりません。完全失業率が3.7%まで下がり、米国は今、「実質完全雇用」とみなされます。完全雇用に近い状態では、雇用者増加数が13万人増でも十分強いと見ることもできます。

 米雇用が好調で賃金が上昇しつつあることから、FRB(米連邦準備制度理事会)は、12月も利上げを行うとの見方が広まっています。

 

外国人の先物売買で乱高下する日経平均:先々週は売り越し

 日本株が外国人売買に翻弄される状況が続いています。特に、先物売買に振り回されています。

 9月は、外国人が株価指数先物を大量に売ったり買ったりしたため、日経平均は乱高下しました。

外国人投資家による日本株の現物・先物買い越し・売り越し状況:2018年9月第1週~10月第1週

出所:東京証券取引所データより、楽天証券経済研究所が作成。先物売買は、日経平均先物、ミニ日経平均先物、TOPIX先物、ミニTOPIX先物の売買

 9月第1週は、外国人が、現物・先物合わせて1兆577億円も売り越しました。この時、外国人は中国株と同様、日本株にネガティブな投資判断をしていたと考えられます。ところが、9月第3週には外国人は一転して、1兆4,702億円も買い越しています。先物で1兆1,932億円も買い越していることが目を引きます。外国人の短期筋が、突然、日本株に強気になったと考えられます。日米貿易戦争が日本にとってそんなに悪い結末にならないとの見方が出てきたこと、円安進展で日本企業の業績改善が見込めることが、投資判断に影響したと考えられます。米国株と並び、日本株にも一定のポジションを持っておくべきと判断したようです。

 ただし、外国人の先物売買は焦点が定まりません。9月第4週には、早くも1,775億円の売り越しに転じています。米長期金利上・NYダウ下落を受けて、日本株のポジジョン積み増しも、一旦停止となった模様です。10月1週はまだ統計が出ていませんが、外国人は売り越している可能性もあります。

 

これから始まる9月中間決算に注目

 外国人の買いで、日経平均が急騰する局面はいったん終了したと思われます。次の注目材料は日本の企業業績です。これから始まる9月中間決算で、今期(2019年3月期)の業績予想引き上げが増えると、日本株の見直しにつながるでしょう。

 円安が進んだ割に業績の上方修正が少ないと、警戒感が広がります。今週は一足先に、2月決算小売業の8月中間決算の発表がピークを迎えます。しばらく企業業績に注目が集まる展開が続くと考えます。

 

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