2月2日に今年最初の金利上昇ショック、今回10月で2度目
10月に入り、米長期金利が3.2%に乗ったところで、今年2回目の金利上昇ショックが起こりました。
米長期金利の日次推移:2018年1月2日~10月12日
今年最初の「金利上昇ショック」は、2月2日に発表された1月の米雇用統計がきっかけで起こりました。平均賃金上昇率が3%に近づいていることがわかり、インフレ懸念が高まり、米長期金利が3%に向かって上昇しました。
ここで、金利上昇や株式市場のボラティリティ(変動性)上昇をトリガー(ひきがね)とした株のプログラム売り(あらかじめ設定したコンピュータ・プログラムに基づいて行う売買)が一斉に発動され、世界的に株が急落しました。日経平均も、外国人の売りで急落しました。
ただしプログラム売りが一巡すると、それ以上、積極的に売る向きはなく、株は下げ止まりました。その後、株式市場は、米長期金利3%に耐性を示すようになりました。「米長期金利が3%でも株式市場にとって悪材料とはならない」との見方が広がり、世界的に株が反発しました。
ところが10月に入り、長期金利が3.2%をつけたところで、再びNYダウが急落し、世界的な株安につながりました。3月、6月、9月に利上げした上、さらに、12月にも米利上げが見込まれることから、再び金利上昇への不安が高まりました。
米長期金利の動きを、もっと長い期間で見てみましょう。
米長期金利と1年金利の月次推移:2012年1月~2018年10月(12日)
米FRB(連邦準備制度理事会)が、金融緩和を終了し、徐々に利上げを進めるにしたがって、米長期金利が上昇してきていることがわかります。グラフの中で、【】で数字をつけた部分を以下の通り、説明します。
【1】2013年5月:バーナンキ・ショック(当時、FRB議長であったバーナンキ氏が「将来、量的緩和の縮小が必要」と発言しただけで、長期金利が急騰し世界的株安招く)。
【2】2014年1月:FRBが量的緩和の縮小を開始
【3】2014年10月:量的緩和終了
【4】2015年12月:利上げ開始、ゼロ金利政策終了
【5】2016年12月―2018年9月:FRBが合計7回、追加利上げ