売買代金ランキング(5銘柄)

1 フィンテック グローバル(8789・東証マザーズ)

 この銘柄が動意付くときは、ほぼ“ムーミン”ネタ。その経緯は遡ること約5年、2013年11月に「ムーミン」を主題としたテーマパークの設立を発表したことから始まります。その後は紆余曲折ありましたが、今年8月、ついに2019年3月16日に開業すると発表。埼玉県飯能市にムーミンのテーマパーク「メッツア」内に有料施設「ムーミンバレーパーク」がオープンするそうです。テーマパークの情報が9月相次いで発表されたこと、そしてマザーズでは数少ない超低位株ということもあってデイトレーダーに人気化。

2 そーせいグループ(4565・東証マザーズ)

信じられない大暴落と、強めのリバウンドで売買が膨らみました。信じられない大暴落(2日連続ストップ安)のきっかけは、18日に発表した認知障害治療薬のパイプライン「HTL0018318」の開発中断。この発表を受け、「ワーストシナリオである開発中止まで前提にすれば、将来的な売上見通しの大幅減は避けられない」との見方が市場で広がりました。
ただ、25日引け後に、別のパイプラインでのグッドニュース(口腔咽頭ガンジダ症治療薬のパイプラインが国内での製造販売承認を取得)を発表。直前の売り材料でかなり空売りが入っていたとも見られ、ショートカバーを巻き込みながら大きくリバウンドしました。製薬大手に独自プラットフォームのライセンス契約をしているため、パイプラインが豊富なそーせい。パイプラインが多い分、悪材料も出やすいですが、好材料も出やすい・・・これが創薬一本のバイオベンチャーとの違いといえます。

3 シノケングループ(8909・ジャスダック)

 8月末に、同業のTATERUに不祥事が発覚。建設資金の借り入れ希望者の預金通帳を改ざんし、銀行に融資の申請をしていたと報じられました。ストップ安売り気配のTATERUに巻き込まれ、同業の同社も月初3日に15.7%安。
 そもそもアパートなど賃貸住宅への投資が冷えつつあったなか出てきた今回の問題。金融庁が投資用不動産への過剰融資抑制に動くことが、関連企業全体にネガティブといえます。

4 アンジェス(4563・東証マザーズ)

 9月前半から突如動意付き、25日に約7カ月ぶりの株価600円台を奪回。その矢先に、三田証券を割当先とする新株予約権を発行すると発表・・・まさにハシゴを外される形となりました。
 開発パイプラインが順調に進んでいるからこそ、研究開発費は増加します。その資金に充当するためのファイナンスですので、前向きな話なのですが・・・株価が上がるとファイナンス(しかも公募増資は難しい業種のため、行使価額修正条項付の新株予約権発行)が出やすい、これはバイオベンチャー投資の宿命です。

5 ユニバーサルエンターテインメント(6425・ジャスダック)

 年初来安値圏で、ほとんど株価も動かず、売買も少なかった同社株。出来高を急増させながら急落したのは、月末も迫った26日でした。

 きっかけは、一部メディアのスクープ記事。菅官房長官がパチンコの規制に本腰を入れるといった内容を配信すると、SNS上で拡散されながら株価も大きく下落しました。直近で携帯キャリアに対する菅官房長官の発言が通信株大手に影響していたこともあり、ネガティブな反応がより強く出ました。