facebook twitter
27年ぶり高値の日経平均、数年以内に3万円到達?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

27年ぶり高値の日経平均、数年以内に3万円到達?

2018/10/2
・日経平均は27年ぶりの高値
・上がり続ける米国株はバブルか?
・米国経済は強すぎ?
・27年ぶり高値の日経平均、長期上昇トレンド入りか
facebook twitter メールで送る 印刷

日経平均は27年ぶりの高値

 10月1日の日経平均株価は、前週末比125円高の2万4,125円でした。終値ベースで1月23日の高値2万4,129円を超え、27年ぶりの高値をつけました。

日経平均月次推移:1989年12月末~2018年10月(1日まで)

出所:楽天証券経済研究所

 今日は日経平均の長期的な見通しについて説明します。株式市場には短期的にリスク材料がたくさんあり、日経平均は、これからも急落、急騰を繰り返すと考えられます。ただし、乱高下しつつも長期的には上昇トレンドが続き、日経平均は数年以内に3万円に達すると予想しています。

 月々1万円でも、日経平均インデックスファンドへの積み立てを続けていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

 

上がり続ける米国株はバブルか?

 目を海外に転じると、驚くべき光景が見えてきます。NYダウが過去30年間、上がり続けていることです。

 私がファンドマネージャーを始めた1987年ころ、日経平均が約2万円のとき、NYダウは約2,000ドルでした。円とドルで単位は異なりますが「NYダウは日経平均の約10分の1」と覚えていました。

 ところがNYダウは今、2万6,458ドル(9月末時点)、日経平均は2万4,245円(10月1日)です。いつの間にか表面上の数字で、日経平均はNYダウに抜かれてしまいました。以下のグラフで分かる通り、私がファンドマネージャーをやっていた25年の間、NYダウは1998年の世界的な金融危機、2002年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックなど、数々の危機を乗り越えて上昇し続けてきました。

NYダウと日経平均の月次推移比較:1987年12月末~2018年9月末

出所:楽天証券経済研究所
注:1987年12月末を100として指数化

 いつまでも上がり続ける米国株を見て「これはバブルでないか」と語る人もいます。ただし、予想PER(株価収益率)で評価する限り、バブルとはいえません。株価の割安割高を判断するもっとも基本的な指標がPERです。米国株(S&P500)の予想PERは約18倍です。過去、13~18倍で推移してきたことを考えると、やや高い水準にあることは事実ですが、バブルというほどではありません。

 米国株はEPS(1株当たり利益)の増加を織り込みながら上昇してきただけです。近年も、米国企業の利益を増やす構造変化がたくさんありました。

「シェール・オイル・ガス革命」は、米国経済を格段に強くしました。それまで米国は、世界最大の原油輸入国でした。突然、国内で安いエネルギーが大量に産出するようになった効果は絶大です。米国はあっという間に、ロシアに次いで、世界第2位の産油国となりました。

 もう1つ、米国株を強くしたのが「IT革命」です。google、amazon、Facebook、Microsoftなどの米IT大手が、世界のITインフラを支配した効果も絶大です。米国に富が集中するトレンドは加速しています。

 さらに、トランプ米大統領の大型減税が貢献しました。これで米国企業の純利益が膨らみ、米国株をさらに上昇させる要因となりました。

 

米国経済は強すぎ?

 米国株にとって最大の不安は、米国経済にとってあまりに都合の良いことが、近年起こり続けたことです。今の米景気が強すぎるだけに、来年以降には景気が減速する可能性を意識せざるを得ません。

 ただし現時点で、まだ米景気失速を意識しなければならないほど、インフレ率やドル金利が上昇したわけではありません。米インフレ率(CPIコア[消費者物価]指数上昇率)は、年率2%前後に留まり、インフレが加速する気配はありません。いろいろ不安はあっても、今しばらく適温相場(景気が強すぎず、弱すぎない中で株価が上昇する相場)が続く見込みです。

 

27年ぶり高値の日経平均、長期上昇トレンド入りか

 日経平均の水準は27年前と同じでも、日本株の投資魅力は、今の方が格段に高いと考えています。バブル崩壊で日経平均が下がり続ける中で、日本企業が実施してきた構造改革の成果が出ているためです。

 日本株の投資魅力が高くなった理由は、以下の6点と考えられます。

【1】財務内容が改善、株主還元が充実

 27年前、日本企業は、バランスシートに多額の借金を抱えていました。不動産バブル崩壊の影響で、金融業には巨額の不良債権もありました。その後日本企業は、生き残りをかけて必死に借金返済に努めました。金融、建設、不動産業では、破綻企業が多数出ましたが、10年以上かけて不良債権の処理を進めました。
 現在、日本の上場企業の財務内容は改善し、実質無借金も増えています。財務の余力が増したことで、株主への利益配分(増配や自社株買い)を積極化する企業が増えています。

【2】生き残りをかけた合併・リストラが進展

バブル期の日本は、同じ産業に多数のプレイヤーがひしめき、慢性的な過当競争状態でした。1998~2005年に過当競争が慢性化している産業で、業界再編が一気に進みました。戦前から競合してきた名門企業が、生き残りをかけて次々と合併しました。
金融、鉄鋼、化学、石油精製、紙パルプ、セメント、小売り、医薬品などで、次々と合併・経営統合が進みました。たとえば、都市銀行13行は、今は、3メガバンクに集約されました。
今でも日本企業の過当競争体質は残っていますが、それでも、98~05年の合併リストラで業界集約を進めたことが、体質改善に大きく寄与しています。

【3】海外生産が当たり前に

 1980年代までの日本の製造業は、日本で生産して海外へ輸出して成長していましたが、円高と貿易摩擦で、輸出主導の成長を続けられなくなりました。そこで日本企業は、生産拠点を大幅に海外へシフトしました。自動車や電機産業で、米国での生産比率が大幅に高まりました。また、中国やアジアで生産して日本に逆輸入したり、欧米に輸出するパターンも増えました。海外生産を軌道に乗せることで、円高や貿易摩擦の影響を受けにくくなりました。

【4】内需産業が海外で成長

 かつて、純粋な内需産業と見られていた、小売り、サービス、食品、化粧品トイレタリー、陸運、金融業などで、急速に海外進出が進んでいます。消費需要が拡大するアジアで、売り上げを伸ばす、日本の消費関連企業が増えています。
 「世界一厳しい」と言われる日本の消費者に鍛えられた日本の消費関連企業は、アジアで高い競争力を発揮できています。

【5】AI、IoT、ロボットでITサービスが成長

 ITを活用して、新たなサービスを創造し、成長する企業が増えています。AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)、ロボットなどの分野で、成長が期待できる企業が増えています。

【6】PERで見て割安に

 PERは、株価が割高か割安かを図る、もっとも代表的な指標です。日本の投資家だけでなく欧米の投資家も、PERを見ながら株価の割高割安を判断します。

 PERで見ると、バブル期(1980~90年代)の日本株はきわめて割高でした。今、東証第一部の平均PERは15倍台まで低下しており、割安と判断しています。

東証一部の平均PER(年代別)

出所:楽天証券経済研究所
 

▼著者おすすめのバックナンバー

10月1日:鍵を握るのは「2つの不安」!年末の日経平均が2万5,000円まで上昇する条件とは? 

9月26日:10月の人気優待トップ10:10月の優待は10月に買うべき?アナリストが伝える優待銘柄のポイント

9月19日:米中ケンカで日本に漁夫の利?外国人買いで日経平均2万3,000円突破

▼他の新着オススメ連載

今日のマーケット・キーワード:日米首脳会談で『TAG』の交渉入りを合意

今日、あの日:東証二部市場が誕生【57年前の10月2日】

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

 
世界のリスク
はじめての下落相場
年末高
ラクしてちょい稼
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください27年ぶり高値の日経平均、数年以内に3万円到達?

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

27年ぶり高値の日経平均、数年以内に3万円到達?

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
世界のリスク
 
年末高
 
投資ワクワク
 
お宝優待株
 
投資の失敗
 
はじめての下落相場
 
はじめよう株主優待生活
 
人気ブロガー
 
NISAつみたてNISAロールオーバー
 
老後破綻
 
動画でわかる
 
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。