facebook twitter
米利上げ実施。日米間のモノの貿易を自由化する協定の交渉開始で合意
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

米利上げ実施。日米間のモノの貿易を自由化する協定の交渉開始で合意

2018/9/27
・FRBが0.25%利上げを実施、市場予想通り
・FOMC声明文は「ややハト派」、パウエルFRB議長の発言は「ややタカ派」
・米インフレ率は落ち着いており、来年以降、利上げ打ち止め感が出る可能性はある
・日米が物品協定交渉入りで合意
facebook twitter メールで送る 印刷

FRBが0.25%利上げを実施。市場予想通り

 9月26日(日本時間では27日午前3時)、米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されました。米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、0.25%の利上げを実施。具体的には、1.75~2.00%であったFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導水準を、2.00~2.25%に引き上げました。

米政策金利(FF金利)の推移:2000年12月~2018年9月

出所:楽天証券経済研究所が作成

 0.25%の利上げ実施を、市場はほぼ確実視していましたので、サプライズ(驚き)はまったくありません。

 今回発表されたFOMCメンバーによる先行きのFF金利予測(中央値)によると、2018年末のFF金利誘導水準は、2.25~2.50%(中心は2.375%)でした。12月にもう一度、0.25%の利上げを見込んでいることになります。そうなると、今年は、3・6・9・12月と、4回の利上げが行われることになります。これは、前回6月のFOMCの時の予想と同じです。

FOMCメンバー(16人)による今後のFF金利予測(中央値)

出所:FRB

FOMC声明文は「ややハト派」、パウエルFRB議長発言は「ややタカ派」

 利上げの実施自体は、市場予想通りで、サプライズはありません。市場の注目点は、FOMC声明文、パウエルFRB議長の発言が、タカ派的(利上げに積極的)か、ハト派的(利上げに消極的)かにありました。

 明確な示唆はありませんでしたが、あえて言えば、FOMC声明文は「ややハト派」でした。「米経済は好調で、今後もゆるやかな利上げが続く」との内容は、これまでとまったく同じです。ややハト派と捉えられたのは、6月のFOMC声明文に入っていた「現在の金融政策のスタンスは緩和的」という文言が削除された点です。

 金融政策のスタンスは、「緩和的」「中立」「引き締め的」の3段階で把握されます。今回「緩和的」の文言が削除されたことは、金融政策のスタンスが「中立」に近づいているとFRBが認識していると、感じさせます。長期的に利上げの打ち止めが意識される内容と言えます。

 ただし、FOMCメンバー16人のうちの、12人が今年の12月にも利上げを予想していること、来年の予測中央値では、さらに3回の利上げが予想されていることを見る限り、すぐに「利上げ打ち止め感」が出る状況にはありません。
 さらに、利上げ後のパウエルFRB議長の発言が、ややタカ派的であったことが、FOMC声明文がややハト派的だった効果を打ち消しました。

 パウエル議長が「FOMCメンバーの一部は、中立水準をやや超えた利上げを予測している」と発言したこと、さらに、今の財政政策が「持続不可能」だと述べたことがタカ派的ととらえられました。

米インフレ率は落ち着いており、来年以降、利上げ打ち止め感が出る可能性はある

 とはいえ、米国のインフレが加速する懸念は特にありません。金融当局が重視しているコア・インフレ率は、ターゲットの2%前後に留まっています。平均賃金の伸びが高まっていますが、現時点で米国のインフレ率が加速する兆しはありません。

米平均賃金上昇率と、インフレ率(消費者物価コア指数・前年比)の推移:2011年1月~2018年8月

出所:米労働省

日米が物品協定交渉入りで合意

 米利上げは、特に大きな材料とはなりませんでした。日経平均株価は、今しばらく2万4,000円前後で推移すると考えています。

 日本時間で27日未明に、もう1つ、重要なニュースが入りました。日米政府が2国間のモノの貿易を自由化するTAG(物品貿易協定)の締結に向けて、交渉を始めると正式に合意したことです。

 米国は現在、自動車の輸入に25%の関税をかけることを検討していて、それが実施されると日本の自動車産業に、重大な悪影響が及ぶことが懸念されています。ただ、今回決まったTAGの交渉期間中に、自動車への追加関税がかけられることはないことが、確認されました。

 今後、日本が輸入に制約をかけている農産物例外5品目(米・麦・砂糖・乳製品・牛肉豚肉)の自由化などで、米国から圧力がかかる可能性がありますが、自動車への追加関税が当面ないことがわかったことは、プラスと捉えられます。

 

 

 

▼他の新着オススメ連載

今日のマーケット・キーワード:日米通商協議『FFR』の進捗状況は?
 

今日、あの日:ソニーが米コロンビア映画買収【29年前の9月27日】

 

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

 
世界のリスク
はじめての下落相場
年末高
ラクしてちょい稼
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください米利上げ実施。日米間のモノの貿易を自由化する協定の交渉開始で合意

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

米利上げ実施。日米間のモノの貿易を自由化する協定の交渉開始で合意

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
世界のリスク
 
年末高
 
投資ワクワク
 
お宝優待株
 
人気記事ランキング
デイリー週間月間
投資の失敗
 
はじめての下落相場
 
はじめよう株主優待生活
 
人気ブロガー
 
NISAつみたてNISAロールオーバー
 
老後破綻
 
動画でわかる
 
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。