失敗しない優待上級者テク

――優待株投資で勝つためのテクニックは?

 私の場合、権利付き確定の1カ月前くらいの時期に優待株を買うときは、現物株を単独で購入するのではなく、優待の権利だけを得る「クロス(両建)取引」での取得を考えることが多いです。

 優待株は、権利付き最終日の翌営業日(その期の優待権利がもらえない権利落ち日)になると、株価が優待価値以上に急落してしまうことも多くなるからです。

 

※優待の権利を得るクロス取引

※優待権利確定日当日に現物株買いと信用取引を使った空売りを同時に入れて、優待の権利だけを得ること。現物買いとカラ売りを両建てすることで損益のプラスとマイナスが相殺されるが、現物株を保有しているので優待の権利は獲得できる。翌営業日の権利落ち日に、購入した現物株を「現渡(げんわたし)」することで信用取引の空売り取引を決済すれば、株価の値動きに関してはまったくノーリスクで優待権利を獲得できる。

※人気優待株の場合、優待株投資家が大挙してクロス取引を行うため、「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という空売りコストが高額になるリスクがあり、注意が必要。(空売りをするためには、証券会社などから株を借りてくる必要があるが、空売り残高が増加すると、貸し株の追加調達コスト品貸料(しながしりょう)と空売りの保有日数をかけたものが逆日歩がかかる。)

※制度信用を使った空売りでは証券取引所が品貸料の最高料率を設定しているので、最大逆日歩がいくらかがチェック可能。証券会社が独自に行っている一般信用取引の場合は、証券会社が設定した手数料+貸し株金利より優待のほうがお得なら、クロス取引を使って優待を取得する価値がある。

 

外食・日用品はほぼ無料!お得な優待生活!

――どんな株主優待生活を送っていますか。

 毎年、300もの優待品をいただくようになると、外食はほぼすべて株主優待券を使って、ほぼ無料で済ますことができますし、シャンプーや化粧品も優待品ですべて賄えるようになります。映画鑑賞やカラオケも無料で楽しめて、カタログギフト優待で食品なども届くので、普段、現金を使うことがあまりない生活を送っていますね。

 そうすると、お金が貯まるので、貯まったお金でまた、違う優待株を購入することができて、さらにたくさんの優待品をいただくことができます。まるで雪だるま式の優待生活ですね(笑)。お金は使ってしまえば終わりですが、優待株を買えば、優待品がもらえるうえに、お金がお金を生んでくれる感覚も味わえるのが、優待株投資の醍醐味といえるでしょう。ただ最近は、とくに自社製品など商品系の優待品が届き過ぎて、その保管場所のために自宅の部屋が埋まってしまい、家族から苦情が出るほどです(苦笑)。11月初旬の新米の季節には、お米系優待が一気に届くため、食べきれずに困ったこともあります。

 

読者へのメッセージ:優待生活の楽しみ方

―――優待株投資を目指す読者にアドバイスを

 

 ここ最近は優待株ブームが少し過熱気味ですが、株は上がることも下がることもあります。私もアベノミクスで救われましたが、2008年10月のリーマンショック直後に日経平均株価7,000円台に急落したときは含み損が数百万円近くに達し、つらい毎日を過ごしました。いまは総資産の50%はキャッシュで保有するようにしています。今後、株価が下がっても、キャッシュを十分確保していれば、心にもゆとりができて、精神的にもとてもいいと思うので参考にしてください。

 

 

 優待株投資はとても楽しく、幸せな気分になれる最高の投資です。優待品が届けば懸賞に当たったような気持ちになれてうれしいですし、実際の生活でもお得に使えます。それがうれしくて、どんどん優待株を買って優待生活を楽しむ人が増えていますが、欲張らず、無理をせず、一部のお金でほどほどに楽しんでほしいですね。

 

 

※株価は2018年8月28日現在

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◎プロフィール

かすみちゃん

東京都在住。優待株投資と節約に詳しいカリスマブロガー。

ブログの「かすみちゃんの株主優待日記」は優待系ブログランキングで常に上位に食い込む超人気サイト。同ブログにて、毎月の優待品紹介や優待新設情報のほか、大好きな外食系優待などを写真付きで紹介している。

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