ブレスト体質になると何がどうなる?

 

会議スペースで木製の小屋を発見。癒しの空間で社員のブレストも弾みそう

会社にはいろいろな人が集まっているのだから、いろいろな感情が渦巻くのは当たり前。

ーー ただ、渦巻かせたままでは具合が悪いのでは……。
「それを解消するために徹底したブレスト(※ブレインストーミング)をやっています。導入時は、ブレストは面白くて盛り上がるというとらえ方で効能には気づいていなかったのですが、ブレスト体質になると、自分がやったことと他人がやったことの境目がなくなってくるので、誰のアイデアなのかなんて気にならなくなるし、いちいち覚えていません。その代わり手柄も自分、失敗の責任も自分になります」

カヤックのブレストには、2つのルールがあります。
(1)他人のアイデアに乗っかる
(2)とにかくアイデアの数をたくさん出す


ーー 自分のアイデアに固執せず、他人のアイデアに乗っかることですか?
誰かがぼそっとつぶやいたアイデアに乗り、そこからインスピレーションを得たアイデアをかぶせていく。その結果、いいアイデアに絞られていく……ことを目指すのではなく、良くても悪くてもアイデアをたくさん出すことを目指す。そうなると他人の批判なんかしていられません。そしてアイデアの数が少ないブレストは失敗、たくさん出たブレストは成功です。

ーー ブレスト脳を鍛えてブレスト体質になるとどんないいことがありますか。
人生を面白がることができるようになり、ポジティブに生きることができるようになります。とはいえ、必ずしも皆がその考え方に馴染むわけではないのですが、そもそも、辞めることが“悪”ではないというのも、この会社の面白いところです。

※ブレインストーミング(brainstorming)とは集団でアイデアを出す会議のこと
 

※働き方改革とは

国が推進する「働き方改革」とは、多様な働き方に対応する試みのこと。少子高齢化により働く人の減少や仕事と育児や介護の両立など働く人が求めることの多様化に対応するため、これまでの働き方を見直して、より良い方向へ変えていこうという試みです。働く人の個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会、働く人がより良い将来の展望を持てる社会にするため、多くの会社は生産性を向上させて長時間労働を是正し、場所や時間にとらわれずに働くテレワークのような仕組みを整えて多様化に対応しようとしています。
 

 

>> 後編へつづく

 次回は働き方改革を先取りしたカヤックの試み、経営者としてカヤックをどう舵取りするのか、投資対象としてのカヤックの魅力を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 


◎今回取材の会社情報

株式会社カヤック
東京証券取引所マザーズに上場 正社員・契約社員281名(2017年12月末時点)

【事業内容】
日本的面白コンテンツ事業。新しいアイデア、新しい技術及びサービスを用いたインターネット広告の制作、クライアントのマーケティング及びブランディングを支援する「クライアントワーク」、「ソーシャルゲーム」の提供、スマートフォンゲームコミュニティなど

「面白株主制度」、「面白株主に名刺支給制度」、「株主版 ぜんいん社長合宿」「株主オフ会」など、株主と一緒に面白法人をつくる制度を設け、毎年の株主総会にて新しい施策を発表している。

 

▼このインタビューをもっと読む

「面白法人カヤック柳澤氏インタビュー

8/23公開 (前編)面白法人カヤック式・働き方改革=固執しない!みんなで「おもしろい」に乗っかりまくる

8/28公開 (後編)面白法人カヤックの経営方針=面白さの追求

▼この特集をもっと読む

トウシル1周年特集