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嵐の前の静けさ 日経平均のこう着はいつまで?(窪田)
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

嵐の前の静けさ 日経平均のこう着はいつまで?(窪田)

2017/7/31
日経平均は2万円前後でこう着。政治不安が上値を押さえ、好調な業績が下値を支える。ドル金利の先高感が低下し、ドル安(円高)が進んでいることも、上値を押さえる要因に。メインシナリオでは、企業業績の拡大を受けて日経平均は2万500円への上昇を予想。ただ、政治リスクや円高から下落するリスクもある。今のこう着は、嵐の前の静けさと捉えている。
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執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 日経平均は2万円前後でこう着。政治不安が上値を押さえ、好調な業績が下値を支える。ドル金利の先高感が低下し、ドル安(円高)が進んでいることも、上値を押さえる要因に。
  • メインシナリオでは、企業業績の拡大を受けて日経平均は2万500円への上昇を予想。ただ、政治リスクや円高から下落するリスクもある。今のこう着は、嵐の前の静けさと捉えている。

日経平均は2万円前後でこう着

日経平均が2万円を挟んで、大きくは上へも下へも動かない展開が続いています。

日経平均日足:2016年11月1日―2017年7月28日

注:楽天証券マーケット・スピードより作成

世界景気が回復し、日本の景気・企業業績も回復が続いていることが、強材料となっています。一方、世界的に政治不安が広がっていることが、上値を抑える要因となっています。

景気・企業業績は好調

発表中の4-6月決算は好調です。今期(2018年3月期)は、以下の通り、東証一部の純利益は前期に続き、2期連続で最高益を更新する見通しです。

東証一部上場3月期決算主要841社の連結純利益(前年比)

出所:楽天証券経済研究所が作成

前期(2017年3月期)は、期初(5月時点)の会社予想が、中間決算発表時に下方修正されました。2016年の前半に世界景気が減速し、円高が進んでいたことが影響しました。ところが、下半期は、世界景気が回復し、円安が進んだことで、逆に利益の上方修正が増えました。最終的に前期は二ケタ増益を達成しました。
今期(2018年3月期)は、発表中の第1四半期(4-6月期)業績が好調なので、期初(5月)の業績予想は上方修正されていく可能性が高いと思われます。

政治不安はどんどん高まっている

景気・企業業績が好調である一方、世界中に政治不安・地政学リスクが広がっていることに、注意が必要です。以下のような懸念材料があります。

(1)トランプ期待がトランプ不安に

(2)中国の海洋進出、周辺国との摩擦が拡大、米国との対立が先鋭化するリスクも

(3)北朝鮮Xデーリスクがくすぶり続ける

(4)欧州政治不安、EU(欧州連合)崩壊リスク

(5)日本の政治混迷 安倍政権の支持率低下で政策実行力が低下

(6)中東の地政学リスク

ドル金利の先高感が低下、ドル安(円高)リスクが日経平均の上値抑える

日経平均の上値を抑えているもう一つの要因が、為替です。これまで、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が利上げを続け、日米金利差が拡大することでドル高(円安)が進むという期待がありました。ところが、最近、米金利の先高感が低下し、つれてドル安(円高)が進み、それが、日経平均の上値を抑えています。
FRBのイエレン議長は、今月、議会証言で、2つのメッセージを出しました。第1に、米国のインフレ率が伸びなくなっていることから、今後の利上げのピッチは緩やかになると示唆しました。これは、ハト派(金融引き締めに消極的)メッセージです。
イエレン議長は第2に、FRBの保有資産の縮小を早期に開始すると示唆しました。FRBが保有する米国債を減らすことで、米長期金利の上昇を促すもので、これはタカ派(金融引き締めに積極的)メッセージです。
ハト派・タカ派両方のメッセージを出したわけですが、金融市場は、ハト派メッセージに反応し、タカ派メッセージには反応していません。米国のインフレ率が上がらなくなってきていることから、金融市場は、引き締めを続けることが難しいと読んでいるわけです。イエレン発言後、米国の長期金利は上値が重いままで、ドル安(円高)がじりじりと進んでいます。

治(ち)きわまれば乱に入り、乱きわまれば治に入る

これは、三国志演義に出てくる有名な一節です。「平和が続くと戦争が起こりやすくなり、戦争が続いた後は平和な時代が来る」という意味です。これは、相場の世界にも通用する言葉として、私は胸に刻んできました。
「大きく動く(荒れる)相場が続いた後は、変動性の小さい(大きく動かない)相場が来る。変動性の小さい相場の後には、荒れる相場がくる」と読み替えることができます。
実際、日経平均は、2016年は急落・急騰を繰り返す荒れた1年となりました。ところが、2017年は一転して、変動の少ない年となっています。
いま、日本株だけでなく、世界的に株の変動性が落ちています。相場にややこう着感が出ているのは、株だけではありません。為替(ドル円)にもややこう着感が出ています。しばらく、相場は、上下ともに動きにくい展開が続くと考えられます。
ただし、いつの日か、金融市場がふたたび荒れる日が来ることを肝に銘じておくべきです。「治きわまれば、乱に入る」です。
メインシナリオでは、日経平均は、好調な企業業績を好感して、20,500円辺りに上昇すると考えています。ただし、その後は、上値が重くなり、政治リスクがさらに高まると、下落に転じる可能性もあると考えています。今の相場状況は、嵐の前の静けさかもしれません。
 

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