市場の回復が「期待」でき、待つ「時間」があれば、含み損はほったらかしでもいい
「見切り売り」とか「やれやれ売り」とか損失確定を前向きに考えるのは投資の基本戦術のように説明されるのが投資本では一般的です。
しかし、(1)積立投資の多くは、個別銘柄ではなくインデックスコアで投資を行うこと、(2)定期的な追加入金を前提とし機動的な入出金は行えないこと、そして(3)経済が短期的に下落はしても中長期的にはプラスに推移すると信じられることを理解できるのであれば、積立投資については「ほったらかし投資」のほうが効果的と考えられます。
ほったらかしのメリットは、投資情報の収集や判断のために時間を割かなくてもいいということです。市場についての判断ミスを避け、恐怖によるムダな損失確定を避ける意味でも、ある程度、ほったらかしの戦術を採用していく方がいいように思います。
さらに毎月の新規掛金についても「投資継続」することが大事
さらにもう一つ重要な戦略は「毎月の掛金の資産配分」です。すでに一定割合を投資に回しているのなら、そのままそれを維持していくことが大切です。
これは月に1回だけ、定期的な新規購入を行う積立投資において、購入平均単価を引き下げるために欠かせない戦略になります。特にiDeCoやつみたてNISAで将来の含み益を多く獲得したいのであれば、毎月の定期的な入金を継続、投資を続けていくことが必要です。
結果として言えば、リーマン・ショックの間、新規掛け金で積立投資を行った人は、ここからアベノミクス開始までに相当低い株価水準での「仕込み」を済ませていますから、株価回復時に利回りが高くなります。10年くらいの積立期間で年7~9%くらいの実績を上げられるほどのインパクトです。
マーケットがしばらく低迷をし、その後回復に転じるという可能性を受け入れられる場合は、むしろその投資を継続した方が効果的です。
「マーケットの細かい予測が難しい」という投資初心者にとっても(本当は投資のベテランでも確実な予想はできないのですが)、投資を経験して市場の波に身を委ね、次のビッグ・ウエーブを待つ方が、負担の少ない投資法ではないかと思います。