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中小型株の投資アイディア:インフラを支配する5銘柄に注目
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

中小型株の投資アイディア:インフラを支配する5銘柄に注目

2018/7/12
・インフラを支配している企業から、銘柄を選ぶ理由
・「中古品流通」のインフラを支配するメルカリとハードオフコーポレーション
・投資家の期待を一身に集めるメルカリ
・ハードオフコーポレーションは、ネットに侵食されて衰退する企業か?
・時間貸し駐車場と、カーシェアのインフラを支配するパーク24
・中古車流通市場で高い競争力を有するユー・エス・エスとオークネット
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 今回は、中小型株から、投資の参考銘柄をご紹介します。まず、インフラを支配していると考える企業から銘柄を選びました。

インフラを支配している企業から、銘柄を選ぶ理由

 中小型株は、大型株と比べると、収益は不安定です。ただし、インフラ【注】を支配している企業ならば、景気の影響を受けにくく、収益は安定的と期待できます。したがって、今回は、インフラ支配企業から選びます。

【注】インフラとは

元々は、生活や産業に不可欠な公共サービスを提供する設備のネットワークを「インフラ」と呼んでいました。上下水道、通信網。電力網、鉄道、道路、橋、空港、港湾などが代表的です。近年、インフラという用語は、もっと広い範囲で使われています。生活や産業に必要な、あらゆるサービスを提供するネットワークを、インフラと呼びます。インターネット上で、生活や産業に不可欠なサービスを支配している企業も、インフラ支配企業と呼ばれます。

 インフラを支配する上場企業の多くは、大型株です。例えば、民営化して上場したNTT、NTTドコモや、JR各社は、大型株です。ITインフラを支配する企業、米国のグーグル、フェイスブック、アマゾンなども、大型株です。ただし、ニッチ分野で、インフラを支配している企業には、中小型株もあります。

 

「中古品流通」のインフラを支配するメルカリとハードオフコーポレーション

 日本には、価値の高い中古品があふれています。新品同様のものもあります。こうした中古品を売買するニーズは強いが、まだそのためのインフラが十分には整っていません。全国に散らばった古物屋や質屋は、効率的な売買仲介システムとはなっていません。

 中古車・本など、流通量の多いものについては、市場が整備されてきました。ただし、雑多な「中古品」を流通するインフラは、まだ整備されていると言えません。

 今、雑多な中古品の流通させるインフラを構築しつつあると言える企業が、2社あります。ひとつは、ネットでの個人間売買を仲介するフリマサイトを運営するメルカリ(4385)です。もう1つは、有店舗で、全国的な中古品流通ネットワークを作りつつあるハードオフ(2674)です。

 どちらも、中古品流通インフラにとって、欠かせない会社と考えています。ところが、株式市場での人気は、両社でまったく異なります。メルカリは高人気ですが、ハードオフは今、株式市場で不人気です。

 ネット(インターネット上の取引)が、あらゆる分野でリアル(有店舗・対面取引)を侵食する時代になってきました。インターネット上で新サービスを創造し成長する株には、投資家の人気が集まります。

 一方、リアル(有店舗)中心の企業は、ネットに押されて衰退していくイメージを持たれ易いことから、投資家には不人気です。

 私は、両社とも価値があると思います。ただし、不人気で割安になっている分、今すぐ投資するならば、ハードオフの方が魅力的と考えています。

 

投資家の期待を一身に集めるメルカリ

 6月19日に東証マザーズに上場したメルカリは、株式市場の期待を一身に集め、上場直後に急騰しました。一時、公募価格(3,000円)の2倍の6,000円まで株価が上がりました。ところが、その後売られ、7月11日には4,470円まで下がっています。

 楽天証券経済研究所の松村梨加シニアアナリストは、メルカリの適正株価は、現時点で3,600円と判断しています。その水準まで下がれば、長期投資で買い場と、考えています。詳しくは、以下のレポートを、ご参照ください。

2018年6月28日:メルカリの投資判断。IT成長期業の仲間入りを果たせるか!?

 

ハードオフコーポレーションは、ネットに侵食されて衰退する企業か?

 私は、過去25年、日本株のファンドマネージャーをやってきました。小型株の銘柄選択では、人気の成長株ばかりでなく、不人気で売られ過ぎと考える企業の決算説明会にも、よく行きます。そんな中で、今、気になっているのが、ハードオフです。

 ハードオフは、中古品流通業の最大手です。「ハードオフ」「オフハウス」などの有店舗販売が中心で、ネット販売は出遅れています。メルカリなどネット中古品流通業が急成長する中、負け組のイメージから株価は低迷しています。7月11日時点で、予想配当利回りは4.1%と高水準ですが、投資家には人気がありません。

 業績を見ると、2016年3月期に最高益をあげて以降、不振です。

ハードオフコーポレーションの業績推移

出所:同社決算資料

 

 ハードオフは、ネット販売もやっています。ところが、ネット対応が遅れたため、メルカリなどネットでの中古品流通に押され、2017年3月期以降、減益となりました。ネット対応を強化するためのコストも収益を圧迫してきました。

 2018年3月期は、既存店販売が低迷(前期比▲1.2%)したことを受けて、固定資産(不振店舗など)の減損損失など約4億円の特別損失が発生しています。業績だけ見ていると、先行きに不安が生じます。

 ただし、まったく別の見方もできます。「中古品流通」は、社会インフラとして、無くてはならないものです。昔から、小規模の店が、全国にたくさんありました。ただし、どこも利益率が低く、厳しい商売です。

 ハードオフは、中古品流通で、日本最大の規模を誇るだけでなく、利益率で高い水準を実現したことが、特筆に値します。同社資料によると、同業他社の大手7社の経常利益率の平均が2.7%なのに対し、ハードオフは7.4%をあげています。中期的に10%の利益率を出す力があると考えられます。規模の利益と効率経営で、安定的に高い利益率を出していける仕組みができていると思います。

 ハードオフは、安定的に収益を稼いで来た効果で、財務内容も良好です。実質無借金で、自己資本は83%と高水準です。

 近年、ネットに押されているとは言え、中古品流通で、有店舗販売のニーズがなくなることはありません。実物を見ないと売買できない中古品はたくさんあるからです。有店舗で安定的に稼ぐビジネスモデルを完成したことで、社会的に無くてはならないインフラを支配する企業になったと、言っていいと思います。

 ハードオフ自身は、ネット流通業の隆盛を、指をくわえて見ているわけではありません。今、ネットとリアルの二刀流で稼ぐモデルを作るべく、ネット販売の拡大に向けて積極的に投資をしているところです。ネットモールの売上高は、2018年3月期にやっと10億9,000万円に達したところですが、ネットモール訪問者は886万人に拡大しています。中古楽器など、ネットでの購入ニーズが高い商品も出てきており、今後の展開が楽しみです。

 ハードオフで、成長が期待されるもう1つの柱は、海外事業です。米国・中国・台湾・カンボジアなどで事業を展開しています。米国では、個人の間で、中古品を「ガレージセール」と称して売買する習慣が定着しています。ただ、個人間で売買するのは、効率が悪いので、ハードオフが進出して、個人から中古品を買い取ったり、売ったりするのは、素直に歓迎されています。

 カンボジアに出店するのも、意味があります。日本で売れずに残ったものでも、カンボジアで飛ぶように売れることがあり、グループ全体での流通効率をあげる効果が見込めます。中国・台湾を含め、今後、海外が、ハードオフにとって、成長市場となるでしょう。

 結論として、私は、ハードオフがネットに侵食される衰退企業とは考えていません。中古品物流というインフラを押さえて安定収益を上げつつ、ネットと海外で少しずつ成長していくと見ています。

 株式市場がハードオフを評価するまでには、かなり長い年月が必要でしょう。ハードオフの成長戦略がいつ実を結び、再び最高益を更新するまでに、まだかなり時間がかかりそうだからです。割安株投資とは、じっくり長期に寝かせて、成果を待つ戦略です。予想配当利回りが7月11日時点4.1%と高いので、長期投資しやすいと思います。

 

時間貸し駐車場と、カーシェアのインフラを支配するパーク24

 パーク24(4666)は、時間貸し駐車場トップ、かつ、カーシェアリングでもトップ企業です。カーシェアリングは、全国に利用拠点がないと、競争力のあるサービスを提供できません。パーク24は、全国の駐車場に、カーシェア用の車両を2万1,591台保有します(2018年4月時点)。台数ベースのシェアは約74%で、高い競争力があります。

 詳しくは、楽天証券経済研究所の松村梨加シニアアナリストによる、以下のレポートを、ご参照ください。

2018年6月14日:話題のシェアリングエコノミー最前線。先頭を切るパーク24は、テクノロジーと融合へ

 

中古車流通市場で高い競争力を有するユー・エス・エスとオークネット

 ユー・エス・エス(4732)は、野田に大規模な中古車オークション会場を持っています。効率的に大量の中古車のオークションを成立させる仕組みを構築しています。関東圏の中古車流通にとって、無くてはならない存在です。成長余地は小さくなってきていますが、景気の影響をほとんど受けずに、安定的に高収益を得ていくことが可能と考えています。予想配当利回りは、7月11日時点で、2.4%です。

 オークネット(3964)は、中古車のテレビオークションで競争力を有します。花やブランド品など取り扱い品を増やしつつあります。予想配当利回りは、7月11日時点で、1.4%です。

 

 

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