12月利上げ確率がドル買い材料に
マーケットは9月までの利上げをほぼ織り込み、関心は、12月に今年4回目の利上げがあるかどうかに移っています。その判断は、パウエルFRB議長がFF(フェデラルファンド)金利を想定レンジの下限に近付けるだけでよしとするのか、それとも上限レンジまで引き上げたいと考えるかにかかっています。
そして12月の利上げ確率こそが、新たなドル買い材料になるといえます。そのカギを握るのが雇用統計であり、失業率がどこまで下がるかということになります。
発表直後のマーケットの反応は?
失業率はもちろん重要ですが、雇用統計の発表直後のマーケットは、雇用者数と平均労働賃金の事前予想と結果の違いで動くことが多いようです。
表-3は、雇用統計の結果を4つのパターンに分類して、それぞれについて予想されるマーケットの反応をまとめたものです。前回5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数、平均労働賃金ともに予想を上回りました。これはパターン1にあたり、実際マーケットはドル買いとユーロ売りで反応しています。
雇用者が増え平均労働賃金も上昇するケースは、FRBの利上げを想起させて、以前は株価の下落と円高を引き起こしたケースもありました。しかし、すでに述べたように、マーケットは9月までの利上げをほぼ織り込んでいて、株価に対するネガティブな影響は少なくなっているようです。