米中間選挙までのカウントダウンで何が起こるか

 米国中間選挙まであと半年となりました。そこで、相場のキーワードとなっている米中間選挙を十分理解することは、今後の相場シナリオを想定する上でとても参考になるため、まとめます。

  1. 米国中間選挙は、4年ごとにある米大統領選挙の半期の年に実施する連邦議会選挙のこと。投票日は、11月の第1月曜日の次の火曜日と決められており、今年は11月6日
  2. 連邦議員各候補への評価に加えて、現職大統領の2年間の政策運営について、国民に信を問う意味合いもあり、トランプ大統領にとっては初めての「信任投票」
  3. 上院は定数100で、中間選挙では3分の1が改選対象(今回は35議席)
  4. 下院は定数435で全議席が改選
  5. 現在は上院、下院とも共和党が多数派
    上院(100)  民主党  49  共和党  51  
    下院(435)  民主党 193   共和党 235  空席 7
  6. 上院の改選35議席のうち、民主党は26、共和党は9議席が改選。民主党が過半数奪取のためには、改選26を死守し、共和党から2議席を攻め落とす必要があり、容易ではないとの見方が多い
  7. 下院は過半数が218議席で、現在共和党が17議席上回っているが、「反トランプ」機運の追い風に乗る民主党が奪回するとの予測が多い。相次ぐトランプ大統領のスキャンダルで女性票の離反も懸念されている
  8. 大統領就任1期目の中間選挙では与党が下院で敗北する経験則がある。近年の中間選挙で上下両院ともに議席を増やしたのは、同時テロ後のブッシュ(子)元大統領の2002年だけ

 もし、トランプ大統領が下院選を敗北した場合、「ねじれ議会」となり政策が滞ることが予想されます。また、大敗すると2020年の大統領選の再選は遠のき、それだけでなく大統領弾劾が現実味を帯びることになるかもしれません。

 朝鮮戦争の終結や非核化への道筋は、トランプ大統領の大きな成果になっても、中間選挙への効果はひょっとしたら大きくないかもしれません。

 やはり、国民への直接的なアピールとなる政策を実行していくのではないかと思われます。そういう意味でいったん保護主義のための攻撃は鎮まっていますが、再び火を噴いてくるかもしれません。

 中間選挙の2カ月前が勝負どころと言われているため、夏の終わりごろから警戒モードを高めたほうがよいかもしれません。