一方、上に説明した通り、ユーザー・プランの最適化は顧客離反率(チャーン)の改善に寄与しています。
なおスポティファイは広告モデルも今後継続してゆく考えです。その理由はプレミアム顧客の60%がまず広告モデルから入ることが影響しています。
また広告市場自体もまだまだ有望です。一例として米国のラジオ業界の年間売上高は140億ドルであり、その大半は広告収入です。つまり同社がシェアを伸ばしてゆく余地は大いにあるのです。
さて、スポティファイの業績ですが、2016年に四大レーベルとライセンシング交渉をし直した結果、スポティファイに有利な値段でコンテンツの提供を受けることができるようになりました。その関係でマージンは改善しています。
スポティファイが新規の顧客を獲得すると、当初は赤字になります。これはカスタマー・アクイジション・コスト、コンテンツ・コストなどが嵩むためです。しかしその顧客が長くスポティファイのサービスをサブスクライブし続けると12カ月でその顧客は黒字に転換し、その後は利益が伸びます。また長くサービスを購読し続けるユーザーほど離反率も低いです。